読書の欠片ネタバレあり
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黒い兄弟 上・下  [Edit]
2006-08-29 Tue
 私は見てないけど、世界名作劇場「ロミオの青い空」の原作です。なんでロミオ…そしてストーリーも大分違ってそうですが。でも私の感覚でも、逃げ出すよりは年季明けの方がハッピーエンドっぽいかなあ。

 1800年代スイスの山岳地帯では、貧しい農夫が子供をミラノの煙突掃除夫に売ることがあった。その仕事は過酷で奉公先では人間らしい扱いもされず、半年の年季明けを待たずに死んでしまう子供たちも多かったという。13才のジョルジュの家もまた貧しく、山岳の農村地帯の暮らしは決して楽ではなかったけれど、家族で力を合わせて働き、小さな初恋やいろんな生き物を育てる喜びもあるささやかに幸せな生活を送っていたが、村に奴隷商人が現れて以来不幸や天災が続き、とうとう自ら決心してミラノに向かうー

 これは完訳なのかな~煙突掃除夫の過酷さ部分は意外と少なかったけど。割と児童書の定番要素が盛り込まれてて、ここがメインて読みどころがちょっと弱いような気はしましたが、児童書らしいといえばらしいかな。同じ身となったアルフレドとの友情(しかし誓うほどの友情にはもちょっと濃いいエピソードが欲しいが…)、奉公先での意地悪なおばさんと息子、身体の弱い娘とのささやかな交流、街の少年グループとの確執と和解、そして逃亡と新しい人生との出会い。多分、タイトルや上下二巻という厚みから、もっと心理描写の深い重っ苦しい物語を想像してたんでしょう自分。とんずらこいたのが意外な方向だったのと、そしてカセラ先生に外から与えられた平和があまりに理想的だったもので、あれ?とちょっと拍子抜けしたのは事実だけど、子供の時だったら素直によかったーと思ったかもね。

 アルフレドの死とそれをきっかけにした狼団との友情はよかったすね。あと、ラストの帰郷の酒場のシーンは好きでした。アニタvsビアンカ…微笑ましい・笑。ジョルジュたちが逃げたあと、親方やアンジェレッタはどうなったんでしょう。煙突掃除夫の仕事のことにしろ、アルフレドや「黒い兄弟」、狼団たちとの関わりにしろ、乗り越え方や生き方にしろ、もうちょっと各人物の内奥に突っ込んだ話を読みたかったなというのが原作読んだ感想だったんですが、多分アニメの制作側も同じようなこと思ったんじゃないかなあ~。アニメのストーリーは知らないけど、ざざっとあらすじ読んだ限りじゃ大分違うみたいですね。年季明けまで働くみたいだし。原作じゃ悪い人じゃないけどどっちつかずだった親方との間にも師弟愛が芽生えたみたいだし。原作のちょっと物足りなかったり唐突だったりする部分をうまく膨らませてて、何だかアニメの方が濃いい感じがする…。こっちの方が納得できるしテーマがはっきりしてると思うのは邪道かしら…?

黒い兄弟〈上〉 黒い兄弟〈下〉 リザ・テツナー(あすなろ書房)
コメントを読む(2)
思わず  by まき
バンリさんこんばんは、おひさしぶりです。なんだかここはコメントしておかねば!と勝手な使命感が・・・(笑)
アニメは、ロミオとアルフレドの友情物語に主眼をおいたことで、一貫性が出たように思います。アニメの後で原作をよみましたが、一番違う点が、アルフレドの設定でした。原作ではお金持ちの息子、というだけだったように思いますが、アニメでは実はイタリア貴族の出身ということになっています。叔母夫婦に両親を殺され、国王からいただいた勲章を騙し取られたため、それをとりもどすとともに、国王の前で貴族の称号を受けるんですよね。黒い兄弟、仲直りした狼団みんなで力を合わせて。名誉挽回したところで、死が待ち受けています。この死というのが、教会で、ロミオの腕の中で死んでいくのですが・・・今でもはっきり思い出せます。
あのシンプルな絵柄で、どうしてここまで・・・というくらい、表情があって泣かされました。声優さんの演技の賜物だと思います。
そうそう、アンジェレッタも地元の名士のお嬢様を預かっていた、という設定で、おばあさまとともに病気を治すためフランスに旅立っていきました。原作ではあっさり死んだという記述だけあったような?
「ロミオ」という名前になったのは、ジョルジョより馴染みのあるイタリアンネームだったかららしいです。
まあとにかく、私のオタク人生を変えた作品で(笑)いつか必ずDVDを集めたいと思っているくらい好きです。語りきれない。
長い作品なので、気軽には見られないと思うのですが、是非見てほしいなあ。
長々と失礼しました。
語ってくれてありがとうですv  by banri
まきさん、こんばんはv
おお、まさかこれで語ってくれる方がいるとは~。
私はアニメ版は全く見たことないんですけど、そうですか、そこまでオタク心を…笑
それはともかく、結構詳しく毎回のあらすじを載せてらしたサイトさんでラストの方だけ読んだのですが、原作と違いミラノでの彼らの生活と友情をふくらませてあって濃いいなあとは思ってたのです。
でもアルフレドの設定がそこまで変わってたとはびっくりす。
設定はすごいドラマチックな気もしますが、ミラノでのエピソードがちょっと物足りなかった自分としては多分アニメの方がしっくりきそうな気がする…友情ものに弱いし…名演なら尚更見てみたいですね~。

友情物語といい、子供たちが力を合わせて逃げずに周りを変えてしまう展開といい、アニメの方が「物語」としては自分好みなんですが、たまたまamazonのレビュー読んでなんで作者が「逃げる」物語を書いたのかがすとんと落ちました。私だって戦争や理不尽な現実からは逃げて生き延びろって思うもんなあ~。
ミラノでの辛い現実には簡単に救いを与えない変わりに新天地に希望を求めたわけですね。
原作は原作で、作者の書きたかったことがはっきりして納得です。
原作はリアルで、むしろアニメの方が児童文学らしいかもですね。
novel | リザ・テツナー
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| 日々是好日 |
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