読書の欠片ネタバレあり
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千住家にストラディヴァリウスが来た日  [Edit]
2006-02-05 Sun
 ヴァイオリニストの千住真理子さんと幻のストラディヴァリウスとの運命的な出会い。それは本人だけでなく、まさに「千住家」の元に導かれてきたというべきものでした~。クラシック素人としては、高名な演奏家がこういう名器を持つということがそんなに特別なこととは思ってなかったので、ごくフツーのエッセイくらいのつもりで読み始めたんですが、いやいやなかなか大変なこと…めったにないことだったんですねえ。

 千住家のユニークで厳しくも優しい教育方針で理系の学者肌の家系から芸術家三兄弟が生まれ育ち、そして柱であり指針だったお父上が亡くなられた後をそれぞれが手探りで超えていく、その船出部分も興味深いんだけど(真似はできんが…)、やはり300年もの間一度も弾かれることなく眠っていたストラディが、まるで意思を持っているかのように「純粋なヴァイオリニスト」の元に現れるのには軽く興奮しますね~。見えない力で引っ張られ、確かにそこを中心に広がって結ばれていくような強い存在感。お母上の文章自体は特別ドラマティックでもなくどっちかというと素朴な感じですが、その存在がこれからの千住家にとって父親に代わる精神的支柱になっていくか、演奏家と楽器という関係を超えて語られてるのが面白い。

 途中途中に挟まれる演奏家千住真理子のエピソードには、厳しさや並大抵ではない努力がさらりとまるでフツーのことのように書いてあるけど、そこはやはり凡人ではあり得ないなーと(笑)。なのに「近道をしないで苦労して歩け」というお父上の教え通りにバカ正直に困難にまっすぐぶち当たっていくような歩き方には妙に感動というか、世界は全然違うのに感覚的にはそう遠くないような感じ。だからこそ不誠実な心や下品な心があればこのヴァイオリンはどこかへ飛んでいく、ってのが私にも信じられる気がする。

 デュランティ…どんな音なんだろ、聴いてみた~い。iTMSにはなかったので取りあえずCD借りてこようかな~。そりゃできれば生がいいけれど…

千住家にストラディヴァリウスが来た日 千住文子(新潮社)
novel | 千住家
CM:0 | TB:0 |
| 日々是好日 |
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