読書の欠片ネタバレあり
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図書館危機  [Edit]
2007-03-08 Thu
 3作目にしてラストひとつ手前になるのかな。常習変質者捕獲作戦、昇任試験、「床屋」訴訟とジャブをいくつか繰り出したところで茨城県展の大闘争へ。良化委員会、ひいてはメディア良化法を真っ向から否定した作品が県展の大賞を取ったことで、警護のため人手を送った関東図書隊は、良化委員会がこの地で「無抵抗主義」を標榜する市民団体を使い、現地図書隊の実質的権限を大幅に削いでいたことを知るー

 日野の悪夢再来かというようなかなり生々しい戦闘だったわ…; そして結構いやーな感じにあとひく一戦ですねー。この結果が一体どんな状況を招くのか想像つかないけど…う~む、「転」っちゃ「転」だけどこれ次で決着つくのか?! 何を持って決着というのかにもよるけどさ。メディア良化法の瓦解まで至るにも時間が足りない、郁の成長も追いつかないのでは。手塚兄の組織にとっては乗っ取りの最好機?民意を操作されると弱い武装組織なだけに、揺るがない信念の象徴がいなくなることで相当ぐらつくことが予想されます…。思想合戦になるともやもやっとしちゃうので、それをぱあっと晴らして希望を示してくれる展開になるといいっすね。

 見かけは突飛なシチュエーションでも、どこにでもあるジュブナイル要素をリアルに描いてくれるのもこの作者の持ち味。郁の母娘問題と女子寮内のヒエラルキー、手塚兄弟のすれ違いとかね。一度歪んでしまった関係はそう簡単には元に戻せないという現実をちゃんと踏まえつつ、そうなってしまった時の心の持ちようみたいなものをちょっとだけ年上の視点で示してくれてると思う。おそらく年代が近いせいか、この辺の考え方には結構近いものを感じますね~。未熟でいろいろうまくいかないのは当たり前、それを段々上手くやれるようになるのは妥協や諦めじゃなく。年取ると許せることが多くなってくるもんです・笑。

 ま、それはそれとして、じれったい月9カップルは増加の一途を辿ってますね・笑。本命の二人は、堂上の方がバレたことを知らないだけにやたらスキンシップ度が上がってるような。郁もなんだかんだ言いながらちゃっかり手ぇ握ってもらったりしてるし、なんだかすでにバカップル? 小牧は相変わらずひとり別の世界を作ってるし、隊長と折口女史はいい大人同士だから口挟む筋合いじゃないし(わたしならちゃんちゃんこ着てからはイヤだが…笑)、こうなると今一番気になるのは手塚・柴崎だったりして。柴崎が簡単に認めるとは思えないんで、もし手塚が自覚してもなかなか厳しい道のりが待ってそうですが。…がんばれ・笑

図書館危機 有川浩(メディアワークス)
コメントを読む(2)
  by sonatine
はじめまして。こんばんは~。
私も郁の手をちゃっかり事件?にはなんだかんだいってすでにばかっぷる(笑)と思いました。
にやつきながら笑いました。
この本、ホント人前で読みたくないです。
絶対変な顔してるから。
TBさせてもらいました~。
>sonatineさん  by banri
はじめまして、こんばんは。
コメント・TBありがとうございます~。
今回接触多かったですよねー…というか堂上バレバレですから!!笑
郁に素性バレてることが分かったらフリーズするんだろうな~と思ってたのしかったです。
いざ自覚したら意外と郁のが上手取るかもしれないですね(?)
でもここは堂上にがんばって一本とってもらいたいですー。
次巻が楽しみですね。
novel | 有川浩
CM:2 | TB:2 |
クジラの彼  [Edit]
2007-03-07 Wed
 ベタ甘ラブロマオンリーの短編集。「レインツリー」みたいな感じならちょっとパスかなーと思ってたんですが、私の好きな「海の底」のスピンオフものが二つ入ってるというので借りてきました。

 全部で6編、うち「海の底」関係が2つ、「空の中」関係が1つ、残りの3つも自衛隊モノとなっております。やっぱこの人の自衛隊ものは好きですね。…しかーし、ベタ甘ラブロマにはわたしの中で微妙なラインが存在することがわかりました!

 ベタ好きなんですよ、基本的にわたしも。太一郎さんとあゆみちゃんは私だって好きだ!ギルバートとアンも、ジュディとペンデルトンさんだってベタ万歳だ。だけど、有川さんのベタ甘は時々活字じゃなくてとっても映像ちっくだぞ…?読んでる感よりもドラマを見てるような感じが強いのはどうも駄目みたいだよわたし…。

 有川さんは割と現実的なディティールを大事にするひとだということは分かってて、それ自体は好きなんですが、これがラブロマになると三次元的リアリティは気恥ずかしくってだめだ…!!どんなにリアリティ詰め込んだって所詮はつくりもの、それなら状況に多少少女マンガ的二次元フィルターかかってる方が気持ちよく浸れるみたい。恋愛モノTVドラマをそのまま紙の上でやられると裸足で逃げ出したくなります・笑。

 なので、せっかくの「海の底」番外だったけど、「クジラの彼」は萌えライン下。冬原はいわば「図書館シリーズ」の小牧に相当する役で、熱血な相方の横に配置されると喰えなさそうで奥深くってすごく魅力的なのに恋愛モノの主役になると揃っておもしろくない…どこにでもいるただの男になっちゃうわ~。カッコよくってやさしい男なんて全然フツーだよ!笑

 夏木カプのその後を描いた「有能な彼女」は、まだ夏のウカツさがかわいいのですが、やっぱりね~結婚への現実的なステップというか精神的な壁をどう超えるかってのはリアリティはあっても読んでてこうきゅ~んとくるものではなくて。「空の中」で唯一好きキャラだった高巳だけど、子供がいても飛ぶことをやめられない妻や心無い言葉に傷つく娘への愛情を語った「ファイターパイロットの君」も、同じく萌えラインの下…(ち~ん)

 が、逆にスピンオフじゃない3編はなかなか気に入りましたv。「かわいげなくて生意気で居丈高なくせに、たまに隙だらけでめちゃめちゃかわいいWAC(女性陸自官)」な「国防レンアイ」はベタベタですがTVドラマというよりどっちかというと少女マンガだし(ヒロインとしての限界を超えた台詞って…自分的には全然限界内だったのでわかりませんでした…汗)、「脱柵エレジー」はごく短い、駐屯地内警衛詰め所での1シーンなのに免許皆伝には思わずにんまり。これはわたしはやさぐれ清田よち吉川のがいいな、淡白なのにカワイくって。

 で、一番のお気に入りはというとトイレトイレと連呼される「ロールアウト」かな。ヘンなリアリティがあるのは同じだけど(笑)自衛隊輸送機内という非日常感がこっ恥ずかしさを軽減してくれます(?)。これもやっぱり女子が一枚上手な感じがかわいいのかもしれません。

 …自分的ベタ甘ラインが微妙すぎとは思いますが、こんな感じでわかるでしょうか。要はあんまりリアル恋愛なのより少女マンガフィルターで覆ってある方がすきってことかな。ちなみに「図書館シリーズ」はあれは完全に少女マンガですから。正しく活字でベタ甘なんでぜんぜんおっけーです・笑

クジラの彼 有川浩(角川書店)
novel | 有川浩
CM:0 | TB:1 |
レインツリーの国  [Edit]
2006-11-22 Wed
 「図書館内乱」で彼と彼女のメモリアルとして登場した本を実際書いちゃいました企画。図書館関係の本か、あるいは狩られるところを救われた本っていう設定かなと思ってたんですが、いやいや普通の恋愛ものでしたか。そうねえ…やっぱ飛び道具あった方が面白いなこの作者は(ほぼ感想終<殴)

 ネットで昔好きだった本の感想を見つけた彼は、それを書いた彼女とメールを交わすうちに会って話したいと思うようになる。彼女の方も同じ気持ちでそれは実現するのだけど、微妙に噛み合わない最初の出会いは彼女の障害が根っこにあることが分かって気まずく終わってしまう…。ネットの中なら自由に想いを綴れても、リアルでは聴こえないという現実に縛られてなかなか素直になれない彼女と、それに時に傷つきながらも彼女の小さな世界に惹かれ、関西人パワーで(?)自分の世界と繋げようとする彼の、足跡のような物語です。

 文章だけのやりとりは、リアルではできないような青春菌バナもできるから、そういう気持ちになるのはわかるよ、うん。でもって、それだけじゃ足りなくてリアルで糸を繋ぎたいって気持ちもわかる。そういう意味では、純愛系が最近人気ですが(私は全然読まないんだが…)イメージとしてそれ系に持ってる奇跡のような出会いやドリー夢は全然なくて、いやんなるくらい現実的。写実的というか。その辺はこの作者の持ち味だよなー。飛び道具アリのハチャメチャな設定の中でもリアルでシビアな視線は感じるから。その分、人間のあたたかさもちゃんと感じられるのが好きなところなんだけどね。

 だからこの物語もうそ臭くなくリアルではあるんだけど…なんかドラマのノベライズというか原作本を読んだような感じというか。状況で物語が動いていって、せっかくの文章ならではの良さがあんまり感じられなかったというか。メールやチャットで交わす言葉も、彼女にとってはこれが声なんだから当たり前かもしれないけど、ストレート過ぎてさ。私文章でぎゅっーと気持ちを掴まれたい方なもので…あんまりストレートな言葉はちょい物足りなく。もっと感じる言葉が欲しかったな。

 ただ、この本を読んだ翌日の新聞に、突発性難聴から中途失聴になった方の記事が出てたりして、この本の女の子と同じようなやりきれなさを抱えてる人の現実というものに同じ時期に別の場所で出会ったりするとなんだか不思議な縁を感じたりもしましたよ。ちょっと前にリアル友達も、時々突発性難聴になるって言ってたっけ…原因不明だっていうからストレスとか精神的なものかなと思ってたけど、そんな、それから突然聴こえなくなることがあるなんて知らなかったよ…;

レインツリーの国 有川浩(新潮社)
novel | 有川浩
CM:0 | TB:0 |
図書館内乱  [Edit]
2006-11-21 Tue
 シリーズ2冊目、期待を裏切らず今回も楽しませてもらいました~。1巻目でキャラがすでに立ってるんですが、ニューフェイスの何人かも含めて主要メンバそれぞれが主役張れそうというのを証明した巻になってるでしょうか。それぞれに他の誰かと繋がってる線をたくさん持ってて、どのキャラで読むかでいろんな面が見えてくる多面的プリズムな物語が面白いし、線で結ばれた二人の関係がどうなってくるのかなど読みどころがいっぱいですね。シリーズ「何冊か」ということだけど、このペースで定期的に出してくれると嬉しいなあ。

 タイトルが「内乱」てことで、敵は外ばかりでなく内にもいたことが判明。まあ敵と言っていいのかどうかはまだわかりませんが…。メディア良化法に対抗して図書館の自由法と図書隊ができて15年、検閲からあらゆる図書を守ることを原則としてきた図書館業界にもいろんな考え方が出てくるのも当然と言えば当然か。このまま局地的に戦い続けるだけでいいのか?もっと根本的に検閲をなくさなけりゃ…という「ある勢力」の考え方はまあ一理あるけどね。でもやっぱそりゃ図書館がやっちゃいかんことだと思うぞ。政治家になれよ…>兄。

 しかし今動き出したということは、ある程度準備は整ってると見るべきなんでしょうか。勝算ないとGOサインは出さなさそうな男なんですが、なんかまだ人材不足っぽいぞ。手の内は大分バレてますがこの先もまだ手ぇ出してくるのかなあ?自分の思想を諦める気は全然なさそうだよね…そんなこんなで相変わらず図書隊を取り巻く状況は気の抜けないものではあるんですが、図書隊内部はと言えば相も変わらず月9かよ!しかも今度はダブルだぜ・笑。深刻な状況下にあっても楽しませてくれるやつらです、ホント。

 いやー小牧は意外だったわ…絶対あの掴み所のないキャラのまま当分脇で行くと思ったのに早くも主役。しかもあんたそんなストレートなキャラだったの、みたいな。図書隊内で一人別ワールドを作ってますね、お幸せに・笑。そーか「レインツリー」はここに出てくるのか。「いま会い」とか今はやりのそんな感じかな。恋愛ものは恋愛ものでもこの作者らしいパンチが効いてる話だといいんですが。

 郁と堂上はお約束道を突っ走ってくれて安心して見てられるなあ~。郁父からもあんなに信頼されちゃってDoする堂上?…ご愁傷さま・笑。次巻は激しく挙動不振な二人になりそうですな。

 柴崎、金沢なのね~多分そのきんつば知ってるわ、奮発~。んでウワサの朝比奈さん登場、てっきり女性だと思ってたらこんな役だったとは。図書館バイト時代に存在は聞いたことはあったけど、実際のお仕事っぷりを存じ上げないので私の場合は一体どんな役なのかとドキドキすることはなかったんだけど(笑)、名前見てやっぱり絶対グリーンウッドじゃん、と思いました(そこかよ)

 柴崎は頼りになるやつだけど結構不憫よねえ。いつも気ぃ張ってるこのコを受け止めてくれる男子は現れるんでしょうか。きっと図書隊初の女性幹部とかになりそうとか思ってましたが、言われてみればそっちのが似合う、うん。秘密を共有する二人ということで手塚との今後の関係も楽しみだけど、手塚じゃちょっとまだ役不足かなあ。いや手塚のことは冷静なツッコミが結構気に入ってるんですけども。今回のことで案外ぐぐっと大人になるかもだしね(?)、期待!

図書館内乱 有川浩(メディアワークス)
novel | 有川浩
CM:0 | TB:0 |
図書館戦争  [Edit]
2006-10-31 Tue

『図書館の自由に関する宣言』

  一、図書館は資料収集の自由を有する
  二、図書館は資料提供の自由を有する
  三、図書館は利用者の秘密を守る
  四、図書館は全ての不当な検閲に反対する

  図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る



 文面がどこまで同じだったかは覚えてないんだけど、1年半バイトさせてもらった我が市の図書館にもこの額が掲げてあったと思います(よね?<オイ)。しかしまさかここから自衛隊ならぬ図書隊が立ち上がるとは思いもしなかったよ!いや~~期待以上に面白かったです。

 昭和の終りに「メディア良化法」が成立・施行されて30年、法務省のメディア良化委員会は、公序良俗に反する出版や各メディア媒体を取締まる権限を持ち、公に検閲・押収するのが日常になっている。一方その危険性をいち早く察知し、「図書館の自由に関する宣言」を基に「図書館の自由法」を成立させた図書館は、メディア良化委員会の敵となりながらも資料の収集と提供を続けている。司法の介入しない超法規的解釈によりその抗争は激化、図書館は各地に図書基地を持ち、図書防衛員の育成と彼ら自身による自衛の道を突き進むに至るー

 かつての図書館焼き討ちの悪夢から立ち上がり、自衛隊払い下げの武器で日々訓練し、警察よりも実質的に戦闘体験を持つ図書隊員…なんて、設定的にはバトロワ的世紀末な世界なのに、トンデモな感じはしなかったですねえ~。それは戦うために用意された設定じゃないからかも。主人公の郁が特殊部隊に配属されたのでドンパチがメインかと思いきや、実は図書館を取り巻く現実をいろいろ煮含めてあるのだ。自由を盾に正義を掲げてるわけじゃない。ただこの火を絶やしちゃいけないという想いが伝わってくる。通常の図書館員たちもその気持ちは同じ、そしてその心意気には、本好きなら誰でも賛同しちゃうんじゃないでしょか。本を焼く国はそのうち人を焼くってその通りだよな;

 作者お得意の自衛隊さながらの訓練や実戦と、リアル図書館のお仕事や心構えが同居して、その世界観が不思議としっくり肌に馴染むんだけど、出てくる人物にもそれは言えるのだ。自衛隊で図書館員。もはや全然違和感感じません・笑。そして相変わらずこの人は青少年の未熟さを描くのが上手いんだよな~。その上でいつまでも甘えを許さないというか、もひとつ高いところを見ろと、自分で登ってこないと見れないよ?と、にっこり笑って突き放すような、でも実はそこで待っててくれるような、そういう大人な視線を感じる、うん。青いのと甘えてんのは違うのだ(何)

 シリーズものとして魅力あるキャラも揃ってます。あとがき読んでから読み始めたけど、郁と堂上は確かに月9だー!と思った私の月9観も結構間違ってるかもしんない。手塚もあの人間関係疎いとこがかわいいし名前はグリーンウッドだし(関係ない)、柴崎は絶対出世すると思う…。小牧も脇に徹してるんでそのうち番外編とかで主役張ったら意外な一面が見れそうだ。次は「内乱」ですね。シリーズとしての山場をどこに持ってくんのかなってことも含めて楽しみにしたいと思います。

図書館戦争 有川浩(メディアワークス)
novel | 有川浩
CM:0 | TB:1 |
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