読書の欠片ネタバレあり
05≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07
スポンサーサイト  [Edit]
-------- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
|
上半期終了~  [Edit]
2005-06-30 Thu
 たまってた感想をまとめてUP、どうしたんだ自分、春からのPC不振が嘘のようだ~~(笑)。最近の記事一覧から消えた分は↑のカレンダーか←の月間アーカイブから見るのが楽かと。…や、blogって情報量多くて慣れるまでどこ見ればいいのか分かんなくなりません?(笑)
 あと、過去の作歌別感想は当分blogに移すのヤメッ。FC2じゃ今のとこ月間アーカイブの表示数を変えられないので過去の日付に遡ってエントリすると5年分のアーカイブが並ぶことに;;。過去ログへのリンクは張ったので別に移さなくても良いや。あーとーFC2やっぱり時間帯によっては時々重いかも;

 さておかげで机の周りに散乱した覚え書きもスッキリ削除できてこれでようやく積み上がった図書館本に取りかかれる~~…って休み明けの返却日まであと1週間じゃん;それで4冊はちょっと無理か予約が入ってる本を先に片付けて残りはさくっと延期しなきゃかも。今借りてるのは…ってこれは明日にでも瑛里さんから渡してもらったbook batonで書こうかなと思いまっす。

 上半期は久々に結構本が読めたなーvと思うけど、最近すっかり図書館派なので本に使うお金は激減してるでしょう…(爆)これも明日にでも時間があれば決算してみる予定。

 で、7月か…いい加減準備しないといけないイベントが二つか三つ、試合が一つ、そして夏休みがああ><
memo
CM:0 | TB:0 |
スローグッドバイ  [Edit]
2005-06-30 Thu
 これは恋愛短編集だったんだけど石田月間で珍しく手にとってみた。20代の恋愛ってことで、語り手が若い男性のせいか女性がちょっと一面的な感じで最初はまあその辺にありがちな…と。でもこれ書いた年代順に並んでるのかな、後半に行くと女性がなかなか魅力的になってきたかな^^

 「真珠のコップ」のコールガールとお客の恋はありがちだけど淡々としつつ幸せな感じがなかなか好き。「夢のキャッチャー」は不屈の闘志でシナリオライターを目指す彼女が自分勝手にならない程度に強くていい。いつ落ちて来ても受け止め体制だった彼が報われてよかったねえと(笑)。一番お気に入りは「ローマンホリディ」かな…ってこれは厳密には恋愛じゃないかもしれないけど、上品なおばあちゃんが魅力的v

 ん~だけど男性陣が嬉しい時や幸せな時にちょっと泣きすぎじゃないっすか(爆)「IWGP」のマコトもだけどやけに涙もろくなってる気がする…ありがたみがなくなるのでほどほどがよいと思います(笑)<男の涙

スローグッドバイ 石田衣良(集英社)
novel | 石田衣良
CM:0 | TB:0 |
池袋ウエストゲートパークIV 電子の星  [Edit]
2005-06-30 Thu
 ここは「東口ラーメンライン」でしょう~(笑)。ツインタワー1号2号がいい出汁、じゃない味だしてました。ていうか初めて人間になったよ…。嫌がらせ犯はせせこましかったけど(あんまり小物なので単なる手先だと思ってた…)、逆にマコトが請け負う仕事は大掛かりじゃなくてこんなことでいいんじゃないかな。表題作の方はご勘弁;

 文章についてはこのあたりではコラムに飽き足らなくなっているんですねー。そのうち小説とか書き始めたりして(爆)。あと段々マコトが涙もろくなっているような…年かな(オイ)

電子の星 池袋ウエストゲートパーク〈4〉 石田衣良(文藝春秋)
コメントを読む(2)
  by 元Tennis Boy
はじめまして。Gボーイズも社会に出て頑張ってるんだなぁ、と長いシリーズならではの展開が面白かったです。TBさせてください。
>元Tennis Boyさん  by banri
はじめまして、TBどうもありがとうございました。ツインタワーの二人、すごく地に足をつけてがんばってるのがよかったですよね^^。こちらからも後ほど寄らせていただいますのでよろしくお願いしますー。
novel | 石田衣良
CM:2 | TB:1 |
池袋ウエストゲートパークIII 骨音  [Edit]
2005-06-30 Thu
 この表題作はかなりイヤ(TT)…ほとんど冒頭で何の音か分かってしまうので更に痛いっす;
 マコトの恋バナもそんなソソらなかったしなあ(笑)。NPOと地域通貨はなかなか面白いと思ったんだけど。

 この巻では「西一番街テイクアウト」ですね、お気に入り。2巻のヒロキ同様ここでは少女がマコトに心を開く。ラストの手紙がよかったなーやっぱり少年少女が未来に希望を持ってるのは良い。ホステスである香織のママも悪くないし何よりマコトママが大活躍(笑)。面倒見がいいのは母譲りなわけね。

骨音 池袋ウエストゲートパーク3 石田衣良(文藝春秋)
novel | 石田衣良
CM:0 | TB:0 |
池袋ウエストゲートパーク  [Edit]
2005-06-30 Thu
 というわけで順番逆になったけど1巻を読むと、わーマコトがまだやんちゃだ(笑)。まだ高校出たてで、どことなく先が見えない未来を持て余してるような。マコトが本当にこの池袋をベースに生きていこうと思ったのはラストの「サンシャイン通り内戦」からのような気がする。「書く」こともここから始まるんだしね^^(作品を重ねる毎に「書く」ことへの気持ちが変わっていくのが一つの成長バロメータで面白いなと)

 あと、タカシがどうしてモテるのかよく分かった(笑)。ガキどもの王様って何してるのかと思ったけど、確かにこいつはひとかどの人物ですね、うん(でもやっぱり何して食ってるのかはよく分からない…爆)

 話的には「オアシスの恋人」がなかなか。元同級生のヘルス嬢とその恋人のイラン人とのマコトの関わり方がやっぱりナチュラルなのだ。外から見たら強制送還でお別れでも、何だかたくましくて明るい感じのラストもいいしね。

池袋ウエストゲートパーク 石田衣良(文藝春秋)
novel | 石田衣良
CM:0 | TB:0 |
池袋ウエストゲートパークII 少年計数機  [Edit]
2005-06-30 Thu
 予備知識なしで2巻から読むヤツ(笑)。まずは全体の雰囲気とか主人公の性格的なものをチェック…主人公のマコトはどうやら前作で池袋を仕切るヤクザに顔を売ったらしい。本を読むのが好きで、地元ストリートファッション誌でコラムを書いてるらしい。Gボーイズっていう地元のガキどものグループを束ねる「王様」タカシと友達らしい。でもあくまでツルまないのがポリシーらしい…そんな感じ。素人で若干二十歳のフツーの兄ちゃんが街のトラブルシューターってリアリティ的にどうかなとか、Gボーイズって名前…どことなく古典的でカッコいいのか微妙(爆)とか、都会のストリートな若者像と自分との接点あるかなーと手探りで読んでたわけですが。うん、やっぱり意外と(?)あったかい感じなんですな、作風が。

 表題作で出会った少年ヒロキは常にカチカチと何かを数えていないと不安定になるのだけど、ヒロキがマコトに心を開くのがうん分かるなーと。なんていうか、自分でもヘンだと思っていても変われない部分、分かってくれなくてもいいと無意識に諦めてるような部分をそのまま等身大で受け入れちゃうところがあるのね。それがお前だろ別にいいじゃん、と…。だから表題作の最後に少年が、やっぱり数えずにはいられないんだけど、何だかすごく楽しそうだったのがいいなと。「4TEEN」の後で読んだこともあって、少年像がなかなかいいじゃん♪と。

 しかし一番いいっと思ったのは実は老人像だったり(笑)。「銀十字」の喜代治と鉄太郎は最高にカッコよいv。そしてマコトがこの二人の生き方に好意と尊敬を持ってるのが感じられるのがいいのです。老人と子供描くの上手い作家って自分的にはポイント高いのよねえ。こういう接点があればストリートのガキだろうがGボーイズ(照)だろうが大丈夫なんだよなー。

少年計数機?池袋ウエストゲートパーク〈2〉 石田衣良(文藝春秋)
novel | 石田衣良
CM:0 | TB:0 |
4TEEN  [Edit]
2005-06-30 Thu
 これが初石田作品だったんだけど、思っていたよりかなり爽やかでした。「池袋WGP」はドラマも見てなくって、何となく今時の乾いた作風なのかと思ってたのよねー関係性が希薄な感じというか。でもどっちかというとウエットな方かも?所々ツボにはまって泣けました<自分がウエットかい

 東京・月島。隅田川を挟んで新しい街と古い街が同居した舞台にまず生活感がある。そこで暮らす中学生4人を主人公にした連作短編集で、この日常や感情がいい感じにリアルなんだよね~。例えばそこに出てくる単語は「援助交際」だったり「拒食症」だったり「登校拒否」だったり「人妻サイト」だったりするのだけど、こういう「イマドキの現象」の奥にごく当たり前の少年の姿が見えてくるのだ。ひねたり歪んだししてなくてやさしいよー。都会の川を覗き込んだら、思いがけず底にキレイな石がいっぱいあるのを見つけたような感じ。大人の目を通さず、彼らの視線で見たもの感じたことがこちらの感情にも直結してきたなあ~。

 これを読んで思い出してたのが湯本香樹実の「夏の庭一The Friends」。おじいさん話があったからというわけじゃなくて、少年像にもどことなく似たものを感じてじわっときてた。本質、というか。

 花火大会のおじいさん話、ダイの死んだ父親から贈られた空色の自転車、春休みの十五歳への旅が特によかった^^。あと、少年たちの目で見るからか、朝焼けや川の何気ない風景にはハッとさせられたなー…何だか懐かしい原風景を見たようで。

4TEEN 石田衣良(新潮社)
novel | 石田衣良
CM:0 | TB:0 |
ダークホルムの闇の君  [Edit]
2005-06-29 Wed
 ファンタジーの世界にもいろんな魔法の国があるけど、このダークホルムはかなり気の毒な…コチラ世界の悪徳事業家に食い物にされちゃっているのです。毎年巡礼ツアーと称して観光客が大挙して押し掛け、魔物と剣で闘ったり略奪したり最後の〆はラスボス・闇の君を倒して元の世界に戻るという筋書き。どの国や領地でも農地は荒らされ城は壊され人は殺されていくのに、40年前の契約のため魔導師も魔物もそれに協力して大掛かりな劇をしなければならない…巡礼団のやりたい放題と言ったらもうホント恥ずかしいほどで;;ううっゲーム好きでごめんなさい(爆)

 しかし考えてみたらDWJのファンタジー世界ってのは割とこういうところあるかも?魔法があってもあとはコチラの世界とそんなに変わらない。人間関係にしろ人生にしろ魔法で何でも解決できるわけじゃないみたいな。結局人間が身体使ってあくせく動かなきゃいけないのよね~。
 
 …というわけでこれも魔法使いがたくさんいる割に大変ドタバタしてました。チェズニー氏の巡礼団を終わりにすべく今年の闇の君に選ばれたダークもその子供たち…1男1女5グリフィン(!)も、一人何役もこなさなきゃいけなくてとにかくぐったり。魔法世界がこんなに体力使うなんてね(笑)。でも彼らにとってはダークホルム全体の問題より、自分の家庭問題や進学問題の方がよほど重要なわけで、身体ボロボロでもがんばってるのはダークホルムを救うなんて壮大な目的のためじゃなく家族の平安のためだったりして、実はこれはホームドラマなんじゃないかと。

 何より思春期のグリフィンたちがすげーかわいいですv。ダークが創ったグリフィンたちは人間のショーナ・ブレイド姉弟も含めて正真正銘の兄弟でフツーに「兄ちゃん」「姉ちゃん」呼びの会話がめちゃめちゃ和む(笑)。性格はそれぞれ個性的で皆只今思春期まっただ中の悩み多きお年頃、それがこのドタバタな状況下でどうしていいか分からないながら協力したりフォローしたりしながらちょっとだけ成長するのがいい。あとウロコが好き~。偉大なドラゴンにかかればグリフィンだって「猫鳥」扱いですから(くすv)

 そんなわけでダークホルムの平和もさることながらダーク一家に平安と笑い声が戻ったのが何だか大団円て感じでしたー。役に立たない空飛ぶ豚とか、羽根のある馬を得るためにダークに忠誠を誓うエルフの王子さまとか、家中占領してるドワーフとかのファンタジーの定番も妙に家庭的サイズなのが面白かった。続編の方はグリフィン主役の学園ものだそうで、より青春ぽくて楽しそうな気がしますv

ダークホルムの闇の君 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ(創元推理文庫)
novel | DWJ
CM:0 | TB:0 |
九年目の魔法 上・下  [Edit]
2005-06-29 Wed
 19才のポーリィは、大学の休暇中に帰省した祖母の家で過ごすうち自分の記憶が二重うつしになっていることに気づく。壁に掛かっている写真も今読んでいる懐かしいこの本も、中身は確かに違っていたはず…一体いつから?記憶を遡るうち、10才の頃に出会った、大好きなリンさんのことをすっかり忘れていたことに気づいたポーリィは、奪われた記憶を取り戻そうとする―
 いや記憶じゃないな。取り戻したいのはリンさんへの想い、それからリンさんの未来。自分勝手な大人たち(これがまた容赦なくダメ大人なんだ;)に囲まれて育ったポーリィにとってリンさんへの恋心はたったひとつ自分のものだといえるものだったし、たとえ記憶がなくても早く取り戻さないともう二度とこの手に掴めないと何かが心を急かすから…

 そんなわけでこれは珍しく(かどうかは知らないけど…)恋愛色が高めだと思った。恋人同士の甘さは全然(!)ないし、むしろ恋人とも言えない関係だったりするんだけど、少女の頃から少しずつ育っていく想いは子供故にまっすぐで、自分をごまかしたりしない分強い。中世の物語なら囚われのお姫さまを救うのは騎士なんだろうけど、DWJの場合はやっぱり女の子が救うのね(笑)
 出会ってからそれを全て忘れなければいけなくなった時まで何があったのか…ほとんどがポーリィ視点で語られるので、リンさんの気持ちは最後の方になっても仄めかされる程度しか分からない。なのでパラパラ読み返しながらリンさんの気持ちを補完したりしてたんだけど(いやリンさん視点も自分的にはオツだなと<年の差v)、DWJ的にはリンさん(男の人)の気持ちは関係ないのかも(オイ)。あくまで女の子の意思とそれを貫く勇気の物語なのね。

 9年に一度ハロウィンの頃に必ず葬式が出る屋敷、一緒に見た二つの「NOWHERE(回すとNOW・HEREともNO・WHEREとも読める)」の花瓶、5年に渡って少女と青年との間で交わされた「英雄タン・クールとその助手ヒーローの物語」、奇妙にそれが本当になったかのような現実…過去はどことなく秘密めいて幻のようにつかみどころがないのだけど、あちこちに散りばめられたバラッド(創作なのかと思ってたけど古典なのだそうで)やアイテムが収束してからの展開はスピーディで面白いー。「こんなモダンな時代に」(byおばあちゃん)違和感なく立ち現れる別の世界。しかもこれが古典の物語なら恋人を取り戻してめでたしになるハズがDWJの場合はそこから更にヒネリを効かせて一回転て感じか。ラスト二人がどうなっていくのかはハッキリとは言えないけど…「どこでもないところ」はこの世界の「どこにでもあるところ」なのかな?一つの言葉の別の側面のように見ようによっては探し出せるところなんじゃないかと思ったり。

 そんで記憶を取り戻してからも女の子のたくましさが光ってますねえ~^^。ルームメイトとのもう子供じゃないんだからね的な会話とおばあちゃんとの作戦会議が好きv(「つかまって離さないのね!」<そしてホントにつかまってるし・笑)。ラストもずっと一緒にいるためなら一生好きだと言わないくらいできるのよね女はと。あとセブは意外とかわいいヤツでお気に入りっした(不憫…爆)

九年目の魔法 上 ダイアナ・ウィン・ジョンズ(東京創元社)
novel | DWJ
CM:0 | TB:0 |
蟲師 6巻  [Edit]
2005-06-25 Sat
 アニメ化っすか~………う~んそれはどうだろう;ねえ?

 この巻は水辺の話が印象的。どれも人と蟲の間の存在となった者と側にいる誰かの話で、今回はみんな人に戻ったってことはそれだけその二人の「つながり」が強かったというわけでどれもいい感じっした^^。その分ギンコは一歩引いて今回は蟲師に徹してたけど、蟲の側に引っ張られてしまう人を放っておけないアナタが好きv
 「シンプルで美しいもの」か…ここにはホントそれがあると感じるんだよな~。

 「天辺の糸」、地面の下の光脈と天の川の相似形が美しい…。蟲の現象にもいろいろあるけど空にぽーんと舞い上がるのが民話的にも意外な感じで面白いなー。画面のそこここに広がる星空を見てると胸を掴まれます。

 「夜を撫でる手」、辰卯兄弟が好みv自分のことより兄が心配な卯介がかわいいっす。どんなに力があっても人間という存在にとって闇の存在は大きすぎる。ギンコも闇が怖いんだねえ。

 「雪の下」、この話はとっても好きだなーあ。やっぱり雪景色は自分の原風景の一つなのかな。忘れていた涙が凍ってた心を溶かしていくみたいで、痛みを体感するよう(子供の頃のしもやけの痛みがよみがえる…)。あと雪の結晶に似た雪蟲がめちゃめちゃかわいいんですけど(笑)ちょっとダメな男の子としっかりものの女の子の組み合わせも好き^^

 「野末の宴」、酔ってる時だけ蟲が見える酒かーいいかもしんない。お、大人イサザがv…落ち着いてよい漢になってたけど、ギンコは子供の時も今もギンコだなあv。ところで蟲煙草ってナニ。そんなの喫ってたのか…(笑)

蟲師 (6) 漆原友紀(アフタヌーン)
comic | 漆原友紀
CM:0 | TB:0 |
レウ゛ォリューションNo.3  [Edit]
2005-06-25 Sat
 新宿区内の有名進学校…に囲まれた陸の孤島、典型的オチコボレ男子校の人呼んで「ゾンビーズ」たちの冒険的日常。比較的短編が二つと中編が一つなんだけど、底に流れるものが同じなので読み応えは長編^^。主人公は中学までは優等生だった「僕」、沖縄米軍兵とのハーフで首相になると宣言しているヒロシ、在日朝鮮人で武闘派且つ知性派でもある舜臣、フィリピン人とスペイン人と華僑のハイブリッドで本物のコスモポリタンを目指すアギーなど、作者らしく「少数の側」を織り込んでいるけれど、彼ら自身はそういう枠から自由な魅力的な男の子たちなんだよね。あ、忘れちゃいけない「史上再弱のヒキを持つ男」山下もね(笑)

 表題作は毎年恒例の名門女子校学園祭への潜入、「ラン、ボーイズ、ラン」は恋もしつつ奪われた沖縄行き資金を奪還、「異教徒たちの踊り」はストーカー被害に合ってる女子大生の護衛兼捜索と、表向きはささやかにバイオレンスな日々だけどそれをただ勢いに任せて描いたものじゃあなく。無駄にはじけてないんだよね…むしろ彼らから感じるのは「静」かも。社会的底辺に近いところにいて時に我慢できなくなることもあれば、上手くいかないこともしょっちゅう。だけどそれを笑い飛ばしてただ前向きに、ってのとはちょっと違う。彼らはいつも考えているのだ、今が楽しけりゃいいわけじゃない、これから生きていく未来のことを。

 実際には話の核になるのは↑こういう冒険そのものじゃなく、病気に冒されたヒロシと花火だったり、死んでしまったヒロシを思い出すのが辛くて思いっきり身体を使うバイトばかりを選ぶ「僕」だったり、河口湖だったり(ちょっと違)山下だったり(だいぶ違)、踊り続ける男だったり。そしてその所々で核になる言葉がある。ドクター・モローもよかったな~<「努力だ」
 うん、へへへと笑って走り続けるタフなところもいいけれど、こういう言葉が響く静かなところがもっと好きだ。軽やかな中にしっかり地面を踏みしめてるような重みがあるのがこの作者の作風で、すごく合うところだなあ~。「フライ,ダディ,フライ」も楽しみっす^^

レヴォリューション No.3 金城一紀(講談社)※新装版
novel | 金城一紀
CM:0 | TB:0 |
模様替えー  [Edit]
2005-06-23 Thu
 えー急に思い立ってblogに変えてみました、日記。特に必要は感じてなかったんだけど、先週珍しくせっせと感想アップしてたら、春からこっち薄々気が付いてはいたんですが…おニューのPCに変えたら更新ストレス感じるようになってて;なんでかってーとそれまで愛用してたHTMLエディタも日記ソフトもOSXじゃ動かないからで、結構探したんだけど代わりになるソフトが見つからないのよね~。一応X用のエディタは入れたけど完全には対応してないらしく今までのシンプル&サクサクな使い心地に比べると微妙に神経使うし、日記もちょうどいいのがなくてクラシック環境で今までの使ってるんだけど、これだと日本語入力環境が貧しくて文字打ちづらいのよ…。せっかくちょっとやる気になったとこに水を差されてえーい乗り換えてやるー!と。あと、最近まとめてUPばっかりなので1日分がめちゃ長なのが嫌だったり。んでそう思いついた目の前で各社ブログ比較の本が返却されてきたりするもんなー(笑)。おかげでそれに合わせて雪景色のままだったサイトの模様替え(ますます白くなっただけとも言うが)もできたので結果オーライってことでv

 blogはですねー今まで興味なかったんでどんな機能が必要かも分からなくて、最初3つも作って(オイ)どこにするか決めるまでに1日かかったす。結局ココ(fc2)におさまった決め手はカスタマイズ自由なこと(ココログはカスタマイズ有料なんだもんな~;しかもMacだとリッチなテンプレは表示に不具合出ることが判明…)。あと、ここの前に試しに使ってみた二つともテンプレを変更したり記事アップの度にいちいち「反映」ってのやらないといけなくて記事が増えるとかなり時間かかりそうだったのが、ここだと更新ボタンポチっとなでおしまいなのが嬉しいv。記事書くとこも簡単なタグはボタン一発で済むしこれまで使ってた日記ソフトに近い使い心地っす、下書き保存もできるし。ただfc2ってアクセス集中すると落ちやすいイメージあるんだけど…どうなんでしょうね(聞くな)
 でテンプレのカスタマイズに更に一日。blogって1ページの情報量多いんで構造把握すんのが大変ー。しかもレイアウトもスタイルシートでやっちゃってるからカスタマイズするのも結構大変っした…でもちょっとでも、ここがこうだったらいいのにとか思うといじらずにはいられないの(爆)

 一応今年の分は移し替えたけど前の感想もそうしよっかな、作歌別のアーカイブが作れるし。ついでにサイトの中もちょっと整理したかったけどこちらは気力が続かずそのまま放置;あと、字がちょっと小さくなったと思いますー。その分行間は開けてみたけど見にくくなったらスイマセン><。OSXのフォントはかなりハッキリしてて小さい字でもつぶれないんです。逆にこれより一つ大きいサイズだと常に太字!って感じで目が疲れるんで、今はこのサイズが一番読みやすいの私…もう前のひょろっとしたフォントには戻れません(笑)
コメントを読む(2)
Batonまわさせてくださいませ  by 瑛里
バンリさん、ブログになった記念!?に
BookBatonをまわさせていただきました。
よろしかったらお答えください。スルーしてくださってもかまいませんので。
早速ですかっ(笑)  by banri
瑛里さん家でへーそんなのが流行ってるのねえと思ってみてましたが、早速回してくれちゃったのですね(笑)
せっかくなので受け取っておきますねv
…でも渡すブロガーな友達はいないので行き止まりですが(どーん)
答えてみたら瑛里さんとこにつなぎにいきますのでよろしく~^^
blog
CM:2 | TB:0 |
タイガー&ドラゴン 「三枚起請」の回  [Edit]
2005-06-19 Sun
 クドカンドラマは実は観たことないんですが落語モノなのが気になってて。あ「GO」もこの人かーちょいと観てみたいかも。「IWGP」はどうでした?この本は連ドラ始まる前のスペシャル版のシナリオなんですが、今やってるドラマ本編は面白いんでしょっか。ギャグや演出のテンポ(これ重要)は観てみないと何とも言えないけど、落語のシチュエーションさながらのドタバタドラマを経て、笑いを失くした男・虎児が自分なりにその噺の人の心の機微を掴んで高座に上がるのは笑って泣かせる…かもしんない。虎児のキャラはいいと思うなあ~。取りあえず親のない虎児と親はあっても家を出てる竜ニが、お互い何か調子狂うヤツ→何となく気になる存在になりそうなのが気になる(笑)

 付録に本家「三枚起請」が付いてるのはいいですねー。ツッコミやボケも実際演ってる感じが出てて。最近は落語絵本みたいなのも人気があって、図書館でもいろいろ見たり読んだりしてるのですよ。例の「三千世界の烏を殺し~」って都々逸が利いてて面白い噺だったな。

タイガー&ドラゴン―「三枚起請」の回 宮藤官九郎(角川書店)
novel | 宮藤官九郎 | 落語
CM:0 | TB:0 |
ぬしさまへ&ねこのばば  [Edit]
2005-06-18 Sat
 二作目からは連作短編集になったのね。そして妖たちが集めてきた情報(この報告順番争いがかわいいのですが・笑)を若旦那がほとんど聞いただけで謎を解決する、ジュブナイル時代劇(?)だった「しゃばけ」に比べると普通にミステリっぽいかな。日常の謎が似合いそうな若旦那や妖たちだけど、どっちかっていうと事件そのものは結構最近ぽいていうか…どうして殺しちゃいけないんだ?とかね;一作目のように妖に乗っ取られてってわけでもなく、人の規範が弛んでる感じ。江戸物でも人の欲とか現代風な動機でも構わないけど、ちょっと扱いが軽いかな?感覚が現代に近いんでもうちょっと江戸っぽくてもいいなと(笑)せっかく妖もいることだし~。

 そんな中では一太郎の兄・松之助の、これまであんまりいい目を見てこなくて諦めというか多くは望まないで生きてきたのが少しだけ広いとこへ出た話と、仁吉・左助の過去バナはよかったなあ~。やっぱりこのシリーズの自分的読みどころはミステリではないらしい。まだ若かった妖たちの恋や居場所探しも青春ぽくてねえ。シリーズ的には単なる謎解きじゃなくやっぱ一作毎にちょっとずつでも若旦那が成長していく方が良いと思いマス。あと栄吉(の菓子作りの腕)もね^^

ぬしさまへ ねこのばば 畠中恵(新潮社)
novel | 畠中恵
CM:0 | TB:0 |
6ステイン  [Edit]
2005-06-18 Sat
 短編集だけど、これこれ~!って福井節が炸裂でよかったす~~v。「終戦のローレライ」は潜水艦同士の格闘戦みたいなとこがあって、壮大すぎていくら精緻に描かれてもどこかリアルに感じられないとこがあったんだけど(男子はどうかわからんが…)、己の身体一つで勝負してる分感情と肉体が直結してて、だからより痛みを感じるというか…それに福井節がまた合うんだよね、うん。「920を待ちながら」は前知識なしだったし920という数字も覚えてなかったにも関わらず、出て来た途端ヤツだと分かりましたとも、ええv…てなわけで「イージス」の前に「6ステイン」を読んではいけません、めちゃめちゃネタバレです。イージスの楽しみが減る(笑)…確か別フレかどっかで福井さん書き下ろし原作の行の話がマンガ化されるって聞いてて、それはさぞ行が美形ヒーローになっちゃうだろうと(爆)読む気しなかったけどこーいう小説で読めるんなら嬉しいわーてかこの話をマンガ化したのかもしれないけど(?)

 ちなみにコレは感想ではなく前振りですから(笑)

------------------------

 (5/18の前振りから続く<殴)えーそんなわけでダイスを舞台にした6編からなる短編集です。そして主人公はそれぞれ、元市ヶ谷で今建設業界のサラリーマンだったり、現場には出ない事務屋だったり、子持ちの主婦隊員だったり、普段は市井で別の仕事を持つAPと呼ばれるアシスタントだったりと、長編なら主人公にはならないだろう人々なんだけど、だからこそ福井さんの描くこの世界観がここまで血肉を持って骨太なことに驚かされたわ。世界観ってより人物か。普段なら「脇」の人達にも人生があり思いがある。特殊な過去や能力がなくても、国の大事に関わるような事件でなくてもこれだけ読ませるんだからなあ~。読みごたえは短編とは思えない!

 不器用でカッコよくもないかもしれないけど、特筆すべきことのない人生に見つけた何か、賭けてもいいと思える誰かのために、やるべきことをやろうとする人。守ってくれる大きな力もない一人の人間としての戦いだけに、むき出しの身体にも精神にもじりじりとした痛みを感じながら、人との関わりもまた直接響いてくる。こーいう人の生き方と関わり方こそ福井さんの本領発揮だよなあ~vv潜水艦戦より断然リアルだと思います(しつこい)。お気に入りは「いまできる最善のこと」「媽媽」「サクラ」もよかったな。

 ちなみに「920を待ちながら」は別格ってことでv。これは構成もイージス並っていうか、どっちなんだと思わせておいて途中でひっくり返すのがすごく上手い。…ったくもう昔から天然でかわいいやつめ<しりとりv

6ステイン 福井晴敏(講談社)
novel | 福井晴敏
CM:0 | TB:0 |
村田エフェンディ滞土録  [Edit]
2005-06-18 Sat
 時代は明治の終わりから大正にかけて、土耳古(トルコ)政府から招聘され公費で考古学研究をする主人公・村田が下宿するスタンブールの家には理性的で公平なイギリス人の女主人、陽気なドイツ人のオットーやもの静かなギリシア人のディミィトリスに信心深いトルコ人の召使いムハンマドが集い、穏やかに、時に賑やかに日常が営まれている。冒頭ムハンマドが鸚鵡を拾ってくるところからすぐに100年前の異国の風情やゆったりとした時間が感じられて引き込まれてしまった。物語のほとんどはごく何気ない毎日を綴ったもので、絶妙な間の手を入れる鸚鵡に笑ったり、宗教や文化の違いから感じ方や考え方が違い、その全てを理解はできなくても少しずつ尊重しあったり、盗賊に襲われながら日本からやってきた研究者を看病したり、発掘現場から持ち帰った土着の神と日本の稲荷がケンカしたり。そんな中徐々に第一次世界大戦前の影が見えてきたりもするのだけど、村田自身の性格もあって本当にごく穏やかに日々は過ぎていくのだ。

 けれども、だからこそその日々が後になってどれほど貴重な、優しいものだったかが分かるんだよね…。ヨーロッパがキナ臭くなって期間終了を待たずに慌ただしく帰国することになった村田の元に、やがてディクソン夫人から彼らの消息を伝える手紙が届く。そして海を渡ってきた鸚鵡と。最後の鸚鵡の一言にはホントに泣かされたよ。国とは何か?自分にとって確かなものとは何なのか…。滞土中起こった大きな事件を描いたわけでなく、声高に何かを主張する話でもないのだけど、淡々と綴られた中にいろんな思いを感じる余地があるのがすごくよかった。心に残ります。

 村田が日本に帰ってきて「家守綺譚」の綿貫と友人であったことがわかるわけですが(いやそういや出てきてたよ…そして家守の時代も特定できるわけね)。綿貫も相変わらずだし高堂もゴローも息災で何よりです(笑)…というわけで、読む順番は家守→村田がオススメですv

村田エフェンディ滞土録 梨木香歩(角川書店)
コメントを読む(2)
  by 莉絵
 banriさんこんばんは。また、TBさせていただきます。絶妙のタイミングの鸚鵡の「友よ!」にもやられましたが、ムハンマドの死骸にとまっていた鸚鵡を発見したオットーを想像すると、また胸に迫ります。
「家守綺譚」もよかったですが、「村田エフェンディ…」の人種や信仰がちがっても、繋がり分かり合うことは隔たりがない。というラストはよかったです。
>莉絵さん  by banri
莉絵さん、こんばんは~お寄りくださってありがとうございます。
鸚鵡にはほんと泣かされましたねえ。信仰や国が違い、情勢が変わっていってもやっぱりその一言で表せる関係が確かにあったわけで。
違いは違いとしてちゃんとあるのが却って深いというか、「それでも…」と思えるのが響いたのです。
口に出さなくても伝わる想いみたいのがよかったですねー。
novel | 梨木香歩
CM:2 | TB:2 |
ごくせん番外地  [Edit]
2005-06-18 Sat
 はあ~やっぱり一番は慎ちゃんだと思いました、いろいろと(笑)。流血慎ちゃんは私も好きっすv。卒業までにいろいろとケリつけてくれるみたいで嬉しい限りなんだけど、さて久美子が慎ちゃんを意識すんのに足りないものは何なのか…ガンバレ慎ちゃんv

 ごくせんとは関係ないけど反応したところ。高校生の甥っ子って太一と規介よねきっと。高校生か~~大きくなったなあ(そしてたまちゃんも高校生なのね・笑)

オフィシャル・ガイドブックごくせん番外地~熱血純情極道教師伝 森本梢子(YOU)
comic | 森本梢子
CM:0 | TB:0 |
風神秘抄  [Edit]
2005-06-17 Fri
 勾玉三部作に連なる世界観ってことでv。勾玉は出てこないけどやっぱりこれも運命的な恋の話なんですね~。そして男の子はどこか天然で女の子は強い(笑)。男の子が主人公だったので最初は薄紅に近いか?と思ったけど、そういう意味では空色や白鳥の方が近いかも。

 時代は薄紅より更に下って平安末期、保元・平治の乱で敗れた源氏が京を落ちていく、大河「義経」一回目の頃(オイ)。坂東武者の一族の末弟として源氏の嫡子義平に従った草十郎は、その人柄を慕ってこれから武士として生きていこうとしたのもつかの間、あっさりとその道を断たれてしまう。義平はさすが鎌倉悪源太と呼ばれるだけあって何とも魅力的な男だったけど、その死とともに武士としての生き方まで揺らいでしまった時に出会ったのが、義平の魂鎮めの舞いをする糸世だった-。草十郎の笛が糸世の祈りの舞いと共鳴する時、人の運命さえも変える力を生じ異界の門が開く。消えた糸世ともう一度出会うため、誰かに仕えるのではなく、自分の人生を生きるために草十郎は鳥彦王とともに旅に出る…

 薄紅にも増して史実の人物が多く、草十郎と糸世の共鳴が頼朝や後白河上皇、引いては源氏と平氏、武士と貴族の関係に影響を与えたという設定もなかなか面白いのだけど、一番楽しかったのは鳥彦王との掛け合いだったかも。あと、あとりとまひわがカワイイです(笑)。でも結局のところどんな強い力や運命があろうとも、自分で自分の道を選び取る真っ直ぐさがこのシリーズ一番の魅力かもしれない。草十郎の場合は、鳥の王となり豊葦原を統べることもできる力を持ちながら、望むのは最後まで天にも地にも正しいと自分が思える生き方をすることだけ。せめぎあいながら人として生きることなのだ。これまでの勾玉の持ち主たちと同じように。鳥彦王はせっかく勾玉の血筋と出会えたのにちょっと可哀想だったけど、でも修行の成果はあったんでしょうきっと。泣くことを覚え「忘れず生きて行く」ことができるようになったんだろうな、うん。

風神秘抄 荻原規子(徳間書店)
novel | 荻原規子
CM:0 | TB:0 |
GO  [Edit]
2005-06-17 Fri
 これまた今まで手に取る機会がなくて初金城本だったんだけど、かなり気に入りました。肌に合う。「在日朝鮮人」の子供として日本で生まれて日本で育ち、朝鮮の教育を受けて来た主人公・杉原が、両親の国籍変更を機に日本の高校に通い始める。並みいる挑戦者を退けて「二十三戦無敗の男」のまま三年生になったものの、当然のように日本の高校という枠の中では浮いている。でもその「日本の高校生」にはない視点がすごく新鮮でリアルなのだ。作者自身がそれと同じような道を辿ってきたのかどうかは知らないけど、作者の持つ背景とアイデンティティがそのまま出てるんだと思う。日本という多民族の交わりがへたくそな国でマイノリティが持つ精神を、外からじゃなく内から描いた作品で、そして国籍とか民族とか他人が名前を付けて分けたがる枠を飛び越えて行く力がある。

 杉原自身は「僕の恋愛の話」とかって言ってますが決してそれだけじゃなく(笑)、周りにいる父親や友人たちとの関係もやっぱり「日本の高校生」にはない空気を感じるんだよね…朝鮮学校の教師になって後輩たちが広い場所に出て行けるようなことを教えてやりたいという親友の正一。高校での唯一の友人・加藤は暴力団の息子で杉原に自分と同じ社会的ハンデを感じているけれど、そこから飛び出るために見ているものの大きさがまるで適わないことを知って自分も何か見つけたいと言う。幼馴染みで何度も一緒に家出をした元秀に、日本の中での「在日」の権利のために動きたいという宮本も。何よりオヤジがすげーいいんだよなあ~「そいつ(オヤジ)を倒したら、俺はほとんど無敵だ。世界だって変えられる」

 読み終わって本を閉じたらタイトルが目に飛び込んできて、ああまさにそういう話だと思った。それからタイトル下の言葉に気が付いて、これは副題じゃなく作者名にかかるんだと思うんだけど、強がりでも反発でも自嘲でもなく、自然体でまっすぐに伸びる立ち姿が目に浮かんでよかったなーと。

 ところでプロフ見てたらこの作者って福井晴敏と同年生まれなんだけど、国や生まれみたいなものに対するニュートラルさにどことなく近いものを感じるんだよね。国境や枠を決めてるのは人間だということ。なら人間はそれを変えられるハズなんじゃないかと思ってるようなとこ。過去がどうあれ、今ここから変えられるものがあるんじゃないかっていうような。5才上、10才上、20才上の好きな作家たちからは知らず知らず考え方や感じ方に薫陶受けたり影響されたりしてるけど、近く感じるってのは同年代の作家ならではかなあとね。

GO 金城一紀(講談社)
novel | 金城一紀
CM:0 | TB:0 |
何かの  [Edit]
2005-06-17 Fri
 雑誌に載ってた石田衣良の対談(小池真理子だったか?)で、渡辺淳一から直々に恋愛道の後継者に名指しされたというのを読んで以来私の中ではこの二人はセットになってしまった~~(渡辺文学読んだことないケド)。しかも恋愛小説の後継者じゃなくて、恋する作家の後継者ってイヤ~~(爆笑)一緒に読んでた図書館の職員のコとウケちゃって、それ以来脳内で渡辺といえば石田みたいな図式が消えん…そんな称号慎んで返しとけ(笑)
memo | 石田衣良
CM:0 | TB:0 |
夜のピクニック  [Edit]
2005-06-15 Wed
 実は読む前、地元FM局の本のコーナーで、「(いろいろ賞取って評判だけど)どの辺が面白いのか分からなかった」と言われてたとゆー話を聞いてたのとユージニアの後だったんで(笑)どうよと思ってたんだけど、いやーこっちは私、すごーく面白かったv。「どの辺が?」ってのは多分「ドラマが何も起こらないじゃん??」ってことなんだろうな~。全編ただ歩いてるだけだからそれは確かにそうなんだけどね、でも高校生ってのがポイント。恩田さんの描く高校生が好きってのもあるけど、歩く前と後では全然違ってるんだよ。それが可能な年代でもあり、この時この場所だから何かが動き出すという非日常空間があって引き込まれるんだよな~~。ただ歩いてるだけでこれってすごい。

 歩行祭。全校生徒がわずかな仮眠を挟んで24時間歩き続ける過酷な行事でありながら、3年生の時には誰もが最後まで歩き通せず脱落するのを涙ながらに拒むという、高校生活を締めくくる最後の行事でもある。実際に恩田さんの母校で行われていた行事だという話だけど、ただ自分の思い出を綴っただけでは決してない。そこにはホントにどこにでもいそうな高校生たちがいて、こんな風に友達や好きな人のことが大半を占めてたよなあという懐かしくなるような想いがある。あくまで「物語」、作者の話じゃなく彼らの話なのがいいv。そしてこれがティーンズ小説なら主人公目線の恋愛バナになるとこだけど、恩田さんはその誰からも少し距離を置いたところから見ていて、その距離感がやっぱり今の自分に近くて入りやすいのかもね。眩しいよーう(笑)

 メインとなるのは、死んだ父親の浮気相手に同じ年の子供がいるという子供にとってはヘヴィな事実を、それまでその存在を無視することでバランスを保って来た融と、むしろ少しでも近づきたいと思ってる貴子の関係の変化で。高校3年ではじめて同じクラスになって以来、その間に漂う微妙な緊張感はむしろつきあってると噂になるほどで、意識はしまくってるわけだけど兄弟だと認めたことも言葉を交わしたこともない。敵意とも言える表情を見せる融に貴子はこの歩行祭の間にもし一言でも彼と話ができれば…と自分にささやかな賭けをする…

 それぞれに3年間を過ごして大事だと思える友人に出会い、それでも決して全部は見せることのなかった自分を、普段なら家に帰って一人でいる夜の時間に友達といる非日常と、ひたすら歩き続けて真っ白になっていく頭と心がさらけださせてくれる。普段言わない言葉、見せない表情…それが零れることでそれまで頑なだった心がほぐれたり、考えるのを避けていたことを別の視点から素直に見ることができたり。たった一晩で自分を知り、それまで見ていた世界より一回り広い世界を知るその変化は劇的だ、「ドラマがない」なんてとんでもない。ガード固かった融が忍や貴子をテリトリーに入れる、昨日まで不可能だと思っていたことがするっと可能になるのには何だか泣けてしまう、嬉しくて。友達との何気ない会話やほのかな恋心(かわいいぞ忍v)もいいんだよなあ~~。読んだ後のこの爽やかな満足感。あー読んでよかったv

 しかし映画化されるそうですが…これは映像で見るとどうなんかしら(歩いてるだけ・笑)私的には文章のがぎゅんぎゅん来そうな気がしますー。

夜のピクニック 恩田陸(新潮社)
novel | 恩田陸
CM:0 | TB:0 |
ユージニア  [Edit]
2005-06-15 Wed
 これは私の実家のあるK市が舞台なんですねー。知ってる場所がほとんどなんでイメージはとっても明確に浮かんでくるし、この場所で何が起こるんだろうとワクワクしたんですが、読み終わった後これがどうもどんな話だったのか輪郭がハッキリしなかったという…;

 かつてある名家で起きた大量毒殺事件、その生き残りの少女が大学生の時に関係者の証言を集めて書いた一冊の本、さらに20年の時間が過ぎて再び証人たちに会う誰か…インタビュー形式で語られる関係者の回想は事件のある一面を浮かび上がらせ、それが集まることでもやもやとした「真実の形」が見えてくる。でもそれすら表面的な真実に過ぎず、起こったことは分かっても、心まで読み解くことは決してできないといった感じ。謎のインタビュアーからは目的も「真実を知りたい」という強い意志も感じないし、証言者にとってもある意味あの夏のことはすでに完結していて、遠いことを語る眼差しをしてるような。最後に浮かんでくる絵は未来に連なるものではなく過去の残像なのだ。誰かにとっての真実が他の誰かにとってはそうではないし、真実だと思っている本人でさえ意識していない何かが心の奥底にあるかもしれない。でもそれは最後まで分からないし、分かったところでどうにもならないことなのよねー。誰にとってもそれは「過去」だから。

 以下ネタバレですが、緋紗子の求めたユージニア-永遠の静けさと世界が消え一人になれる国-ってのがそもそも救いがない;で、一応これが事件の背景だとされるわけだけど…冒頭とラストを読むと、むしろどうして緋紗子がそういう思いを抱いたかが隠された真実のような気がした…緋紗子本人も意識していないかもしれないけど、「青い部屋」に対する恐怖が全ての根源だとしたら怖いのはむしろ奥様;;信心深く篤志家で、養護施設を訪問して子供達にお菓子を配る、というエピソードでしか出てこない人だけどゾッとした。自宅に作った懺悔室で、幼い緋紗子に、目が見えなくなったのは何かの罰だと神に許しを乞わせたとか。あるいは我が子の目が見えるようになる「奇跡」のために何か大きな犠牲が必要だと思ってたんじゃないかとかね。とにかく緋紗子の静けさを望む心はそこで生まれたとしか思えないもんなーあー怖。まあこれも何の根拠もない想像だけど、とにかく緋紗子自身が真実だと思っているものすら違うかもしれない、という輪郭のはっきりしない残像だけが残る物語だったなあ~。ていうか、それを狙った作品なんだと思うけど、同じように結末がはっきりしなくても「小夜子」の雰囲気はすごく好きなんだけどね~。今もそこにあり、これからもあり続けるだろう「学校」とそこを出ていく「生徒」ってどちらも先に繋がっている。でも「ユージニア」はここで行き止まりでどこにも行けない感じなのがちょっと苦手かな。

ユージニア 恩田陸(角川書店)
novel | 恩田陸
CM:0 | TB:0 |
『恐怖の報酬』日記  [Edit]
2005-06-15 Wed
 恩田さんがお酒好き飛行機嫌いってのは以前何かのインタビューで見てたけど、まさにそれについて「酩酊混乱紀行」と銘打った初海外旅行紀行文(?)です。あー楽しかったv。行き先はイギリス・アイルランドで、まず見た目まんま地球の歩き方な表紙デザインがナイス(笑)。紀行文ってよりは、現地の風景に触れながらの恩田さんの妄想イメージや小説作法がとってもざっくばらんに語られてて興味深いんだけど、これが飛行機に乗る前後だとプチパニック状態でテンションはメーターを振り切れて、話が飛ぶ飛ぶ(笑)。脈絡のない妄想とノンストップな語り口がとにかく楽しいです。助けて千秋さまー!(爆笑)

 場所が持つ力、そこを舞台に浮かび上がるイメージを掘り起こしてじっと見つめる。それらがいつか書かれるだろう小説の一場面になるだろうという予感、それをほとんど気分と勘だけで書き上げていくという作法はとっても納得できるなあ~。読んで感じてた通りってか。イメージや風景自体が強い物語を持ってるんだよね。そして恩田さんの妄想の中で人物もまた風景に負けない存在感を主張する…そんな感じ。熟成すればするほど濃い味わいにないそうだよなーお酒と一緒でねv

 そうそう、何の因果かその後無事二度目三度目の海外旅行も果たされたそうで。雑誌「旅」参照って書いてあったので早速バックナンバーもチェック(こういう時図書館勤めって便利だーv)。チェコとスペインだったんですが、チェコがすごくよさ気だったな~~食べ物も景色も美味そーvそして「木曜の男たちの邂逅」がすごく面白そうです…誰かと言わず恩田さんに是非書いていただきたいなと(笑)

酩酊混乱紀行『恐怖の報酬』日記 恩田陸(講談社)
novel | 恩田陸
CM:0 | TB:0 |
近況&おぼえがき  [Edit]
2005-06-15 Wed
 6月に入った途端腰を痛めて(つーか2日後からは痛かったのは足)座ってられなかったんですが、ようやくヤマ超えた感じで。ふう。元々弱いトコだけど原因の半分は寝転がって本を読むせいかもしれず。でもこればっかりはなかなか直せないのよね;座ってだと長時間集中して読めないのよ私…本を支えるのって結構重いじゃないっすか、うつ伏せで肘付いた姿勢が一番読めるんだよー。最近は腰への負担も考えて横向きもやるけどこれだと大抵寝ちゃうしな(爆)。ソファは自分の読書テリトリー内に置いてないし。皆一体どうやって本読んでるんだろうなー。…ってな話をちょうど友達が来てたのでしてたんだけどやっぱり座ってんのね皆。う~ん本を読むのにちょうどいいリラックスチェアー(本支え付)をどっかで開発してくれんもんか。

 そんなわけで何読んだかがあやふやです~~エート、「ダークホルムの闇の君」(DWJ)「スローグッドバイ」(石田衣良)「ユージニア」「夜のピクニック」(恩田陸)「風神秘抄」(荻原規子)だったと思う確か。そんで来週から在庫整理で図書館2週間休館なので(もちろんその間休みのハズはなくとーっても大変な仕事が待ってるそうですが・笑。でもそこはバイトなのでどんなことやるのかちょっと楽しみでもアリ)金城一紀(初)と読みかけてたあさのあつこと森絵都の新刊借りてきたー。どっちも児童書じゃなくオトナ向(違)なんだけど、児童書出身・女性作家・青少年を描かせリゃ伸びやかさが眩しくって好みvと勝手に共通項で括ってたせいか一般文芸書にも妙に共通点があるような。主人公が大人になるとどこか気怠いつーか夢は見れないっていうか現実に縛られてるっていうかね。文章もオトナ向け描写が増えるし(笑)。ってもどちらもまだ冒頭なんでこれからどうなるのかがお楽しみ。あと「天切り松」の新刊は(久しぶりに)買ったv
memo
CM:0 | TB:0 |
| 日々是好日 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。