読書の欠片ネタバレあり
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ダ・ヴィンチ・コード 上・下  [Edit]
2005-10-31 Mon
 ようやく予約が切れたみたいなので読んでみました~。表紙でてっきりモナリザの謎を追う話なのかと思ってましたが全然違いましたね…(つーか間違いなくギャラリーフェイクの影響だよ…もう一枚のモナリザとかモデルの謎とか~)。かつてキリスト教が「神」を標榜するために、あらゆる手段を使って封じ込めてきた古代の異宗教と原始のキリスト教。そして伝説の聖杯とイエスの秘密に迫るなかなか読み応えのあるエンタティメントだったわ~^^

 まずはとっても明快で読みやすい。基本的に蘊蓄がメインなのに頭が痛くなんないです(笑)。いくつかの視点が平行して進んでいく展開もスピーディでころころ転がって(何しろこれがたった一晩の出来事だとは!笑)ハリウッド映画見てるみたい…と思ったら映画になるのかやっぱり。非常に映像的なんでこのまま脚本に起こせそうじゃない?

 それから人物もなかなか魅力的^^。ヒロインのソフィはそれほどでもないけど(コラ)、40代でハーヴァードの教授にして宗教象徴学を専門とするラングドンの、穏やかで根っから教えることが好きそうな先生気質は好感度高いし、冒頭で死んでしまうけど回想の中だけでもその強い意志と優しさが伺えるルーブル館長ソニエールは、暗号の中に暗号を隠すような徹底した遊び心がお茶目だし。そして中盤大活躍のサー・リーはとってもチャーミングで主役のラングドンを食ってるし…つまりおっさんばかりが魅力的という(笑)。象徴学者の蘊蓄って、ヘタしたらこじつけっぽく思えるというか、どっちかってとひねくれ者の私なんかは「そりゃそーいう目でみれば何でも都合よく意味あり気よねー」と思ってしまいがちなのに、押付けがましさがないせいかラングドンの主張はオウケイでしたねー。講義も人気あるでしょうきっと。中盤のすごい幸運な展開も、サー・リーのチャーミングさのおかげでまさに「聖杯が人を選んだ」ような感じで、そりゃあんまり強引なと(そんなに)突っ込まずに済んだし。いろんな文献や諸説を繋いだだけの単に蘊蓄話だったらこうはいかない…やっぱり物語を動かすのは人よね~。登場人物が多すぎないのもよかったわ。

 誰がどの陣営に属してるのかというサスペンスもあり、多視点の中にトリックを紛れ込ませるのも上手くてミステリとしても面白いんだけど、やはり最大の面白さは二千年に渡ってそっと受け継がれてきた聖杯の秘密でしょう。しかもそれを受け継いできた秘密結社に歴史上の大画家、政治家、音楽家に科学者らが名を連ねているとなれば面白くないハズがない。中綴じされた「最後の晩餐」の絵と本文を見比べながらおお~っと思ったさ。私、幼稚園はカトリックだったですが、昔聞いたお話や聖書にそんな意味が隠されてたのね~と面白かったですねえ。十字軍やテンプル騎士団なんかが担った役割にも目ウロコ…これぞ蘊蓄の醍醐味v

 それに、その遺志を継ごうとする者、秘密を明らかにしてキリスト教の失墜を願うもの、そして再びその秘密を葬って次の千年紀もキリスト教を盤石なものにしようとする者ーそれぞれの思惑が交差しつつ、でも秘密結社やキリスト教の中のカルトな一派という胡散臭いものをとっても人間らしく描いてるのがよかったな~。そのせいでこの聖杯伝説がトンデモになるのを免れて納得がいく信憑性のあるものになってるような気がする。ラスト、ソニエールが孫娘にどうしても伝えたかった秘密にも「歴史の真実」より人間の気持ちを大事にする思いが現れてて人間くさいし、明らかになった秘密の扱いにも感心しちゃった~~<「世界は現代の吟遊詩人を求めている」。伝説を守ってきた者の真意はキリスト教の欺瞞を暴くことでも、古代の宗教を復活させることでもない。真実は決して失われない。芸術の中に、音楽の中に、本の中に語られ受け継がれていくーそれこそが祈りなのだ。

 最後に謎解きについて。最初こそやけに大掛かりで大げさな暗号だと思ったけど、「多意義の達人」ソニエールの為人が明らかになるにつけ、そのいくつもの意味を持たせた複雑な暗号が、「これしかない」っていうシンプルで無駄がない解答に至るのが何とも美しい~。しかもそれが納得できるようにあらかじめきちんと張られてるので突っ込む余地がない(笑)。ニュートンとリンゴ、古のロスリンなんて実にお見事!そしてすべての謎の解答が常に最初から目の前にある…最初に見たものをもう一度別の目線で見直すその構成も美しいわーv。謎自体はとても大きく、世界を変えてしまいかねないものなのだけど、そこに現れた真実には何かを破壊するような剣呑さがない。女神だからでしょうか、むしろ世界を包み込んでくれるような、優しい読後感が残りました~。

ダ・ヴィンチ・コード (上) ダ・ヴィンチ・コード (下) ダン・ブラウン(角川書店)
novel | ダン・ブラウン
CM:0 | TB:1 |
のだめカンタービレ キャラクターBook  [Edit]
2005-10-31 Mon
 字が…めちゃめちゃ細かいです…ぎっしり詰まってます(笑)。キャラデータ&パリガイド&クラシック入門など。おべんきょ的なところは結構専門用語が出てくるのでそこはさらりと飛ばしつつ、でもN響他プロの方たちによる曲解説はところどころ楽しい~ぷぷ。人気投票は虫眼鏡が必要なほどのフォントサイズに沈没…

 お買い得ポイントは大河内カンタービレ…ではなく(どうせなら峰と清良の遠距離恋愛番外とか読みた~い)、千秋・のだめの知られざる(?)中高生時代4コマv。千秋繊細~~おぼっちゃま~~(爆笑←なぜ笑うか)。や、本編に出てきた高校生時代も今よりずっと優等生っぽかったけど。ちなみにオフィシャルに千秋14才のラフがあるんですが、17・8が最初のストライクゾーンなはずな私がその清潔な色香にむあむあしてしまった…(危)。モテ期のだめはホントかわいい!…方向性はともかく、その口でさえ愛らしいです(笑)。何気にあだ名の由来も分かりましたね~。寝相のいいのだめと悪い千秋ってのも意外でおかしい。

 それにしても主要キャラ紹介を見るにつけ、やっぱり「のだめ」の一番の魅力は「音楽バカ」なところだ~と改めて再確認。奇人変人なんだかんだ言って音楽バカだから皆あんなにカッコいいのだvv

 あと気になった小ネタいくつか。高橋くんに付ける一言は「君のおうちはどこですか」だと思うっ。謎の眠り姫は素顔のターニャだと思ってた…。アムールのトンネルの中には何が…?付録の等身大ミルヒー、意外と使えるかも…学祭とかの案内板にどうですか(無責任)

 カラーや扉にもかわいくて好きなのがいっぱいあるんだけど(そのうちイラスト集とか出そう…)、ていうか好きな扉ベスト3~とか選んでみようと思っててまだ改めて見返してないんだけど(殴)、一番好きなのはラフマニノフの回。千秋とミルヒが一つの椅子に座ってピアノに向かってる後ろ姿。師弟!!って感じで見る度に鳥肌立ちます~。

「のだめカンタービレ」キャラクターBOOK 二ノ宮知子(Kiss)
comic | 二ノ宮知子
CM:0 | TB:1 |
アンテナ(5.10ver.)  [Edit]
2005-10-29 Sat
▼ 絶版の探索本/そのうち読みたい本/文庫化待ちなど

▼ 本サイトの管理人室にあった個人的覚え書きです。数年前に作って時々読んだ本を消したりはしてたんだけど、あまりにホコリをかぶっていたので久しぶりに大掃除(せめて新刊出たらメモろうね…>自分)

▼ この機会に図書館で眺めてチェックしたり、オススメしてもらった本を追加v

▼ 代わりにすっかり追うのを放置して、こりゃもう読まねーかもな作家を消してみたり(笑)

▼(ていうか増え過ぎ…魔の場所よね~<図書館…気長にいきますv)

...More

【あ】

浅田次郎
「日輪の遺産」(1993青樹社/1997講談社文庫)積読中
「初等ヤクザの犯罪学教室」(1993/1998幻冬舎アウトロー文庫)積読中
「地下鉄(メトロ)に乗って」(1994徳間書店/1997徳間文庫)積読中
「勝負の極意」(1997幻冬舎アウトロー文庫)積読中
「活動写真の女」(1997双葉社/2003集英社文庫)積読中
「月のしずく」(1997文藝春秋/2000文春文庫)積読中
「珍妃の井戸」(1997講談社/2005講談社文庫)
「見知らぬ妻へ」(1998光文社/2001光文社文庫)積読中
「競馬どんぶり」(1998/2000幻冬舎アウトロー文庫)積読中
「勇気凛々ルリの色 満天の星」(1999講談社/2001講談社文庫)
「薔薇盗人」(2000新潮社/2003新潮文庫)積読中
「絶対幸福主義 」(2000徳間書店/2004徳間文庫)積読中
「姫椿」(2001文藝春秋/2003文春文庫)
「歩兵の本領」(2001講談社/2004講談社文庫)積読中
「オー・マイ・ガアッ!」(2001毎日新聞社/2004集英社文庫)積読中
「待つ女ー浅田次郎読本」(2002朝日新聞社/2005朝日文庫)
「沙高樓奇譚」(2002徳間書店/2005徳間文庫)
「五郎治殿御始末」(2003中央公論新社)
「霧笛荘夜話 」(2004角川書店)
「沙高楼綺譚 草原からの使者」(2005徳間書店)
「歴史・小説・人生」(2005河出書房)
「憑神」(2005新潮社)
「お腹召しませ」(2006中央公論新社)
「あやしうらめしあなかなし」(2006双葉社)
「中原の虹 全4巻(予定)」(2006講談社)
「月下の恋人」(2006光文社)


あさのあつこ
「福音の少年」(2005角川書店)
「弥勒の月」(2006光文社)
「ありふれた風景画」(2006文藝春秋)


新井素子
「チェックメイト 前・後編」(2003コバルト文庫)


有川浩
「空の中」(2004メディアワークス)
「海の底」(2005メディアワークス)
「図書館戦争」(2006メディアワークス)
「図書館内乱」(2006メディアワークス)



池波正太郎
「堀部安兵衛 上・下」(新潮文庫)積読中
「真田太平記 1~12」(新潮文庫)
他諸々いっぱい


伊坂幸太郎
「オーデュボンの祈り」(2000新潮社/2003新潮文庫)
「陽気なギャングが地球を回す」(2003祥伝社/2006祥伝社文庫)
「チルドレン」(2004講談社)
「グラスホッパー」(2004角川書店)
「死神の精度」(2005文藝春秋)
「魔王」(2005講談社)
「砂漠」(2005実業之日本社)
「終末のフール」(2006集英社)


いしいしんじ
「ぶらんこのり」(2000理論社/2004新潮文庫)
「麦ふみクーツェ」(2002理論社/2005新潮文庫/2005)
「プラネタリウムのふたご」(2003講談社)
「白の鳥と黒の鳥」(2005角川書店)
「ポーの話」(2005新潮社)


石田衣良
「うつくしい子ども」(1999文藝春秋/2001文春文庫)
「エンジェル」(1999集英社/2002集英社文庫)
「赤・黒ーIWGP外伝」(2001徳間書店/2004徳間文庫)
「娼年」(2001集英社/2004集英社文庫)
「波のうえの魔術師」(2001文藝春秋/2003文春文庫)
「LAST」(2003講談社/2005講談社文庫)
「1ポンドの悲しみ」(2004集英社)
「約束」(2004角川書店)
「ブルータワー」(2004徳間書店)
「アキハバラ@DEEP」(2004文藝春秋)
「東京DOLL」(2005講談社)


伊藤遊
「鬼の橋」(1998福音館書店)
「えんの松原」(2001福音館書店)
「ユウキ」(2003福音館書店)


上橋菜穂子
「精霊の守り人」(1996偕成社)
「闇の守り人」(1999偕成社)
「夢の守り人」(2000偕成社)
「虚空の旅人」(2001偕成社)
「神の守り人<来訪編>」(2003偕成社)
「神の守り人<帰還編>」(2003偕成社)
「狐笛のかなた」(2003理論社)
「精霊の木」(2004偕成社)
「蒼路の旅人」(2005偕成社)


荻原規子
「樹上のゆりかご」(2002理論社)


小野不由美
ティーンズハート絶版分
中庭同盟 thanx!
京都私設情報局 thanx!


恩田陸
「MAZE」(2001双葉社/2003双葉文庫)積読中
「黒と茶の幻想」(2001講談社/2006講談社文庫)
「劫尽童女」(2002角川書店/2005光文社文庫)
「ロミオとロミオは永遠に」(2002早川書房/2006早川文庫)
「ねじの回転」(2002集英社)
「蛇行する川のほとり 全3巻」(2002-3中央公論新社)
「まひるの月を追いかけて」(2003文藝春秋)
「クレオパトラの夢」(2003双葉社)
「黄昏の百合の骨」(2004講談社)
「禁じられた楽園」(2004徳間書店)
「Q&A」(2004幻冬舎)
「夏の名残りの薔薇」(2004文藝春秋)
「ネクロポリス 上・下」(2005朝日新聞社)
「エンド・ゲーム」(2005集英社)
「チョコレートコスモス」(2006毎日新聞社)


【か】

海堂尊
「ナイチンゲールの沈黙」(2006宝島社)


垣根涼介
「午前三時のルースター」(2000文藝春秋/2003文春文庫)
「ヒートアイランド」(2001文藝春秋/2004文春文庫)
「ギャングスター・レッスン」(2004徳間書店)
「サウダージ」(2004文藝春秋)
「クレイジーヘヴン」(2004実業之日本社)
「君たちに明日はない」(2005新潮社)
「ゆりかごで眠れ」(2006中央公論新社)
「真夏の島に咲く花は」(2006講談社)


加納朋子
「螺旋階段のアリス」(2000文藝春秋/2003文春文庫)
「虹の家のアリス」(2002文藝春秋)
「コッペリア」(2003講談社)
「レインレイン・ボウ」(2003集英社)
「スペース」(2004東京創元社)
「てるてるあした」(2005幻冬舎)
「ななつのこものがたり」(2005東京創元社)


金城一紀
「対話篇」(2003講談社)


川上弘美
「古道具 中野商店」(2005新潮社)


川端裕人
「夏のロケット」(1998文藝春秋/2002文春文庫)
「川の名前」(2004早川書房)
「今ここにいるぼくらは」(2005集英社)


北方謙三
「波王の秋」(集英社文庫)積読中
「三国志」(ハルキ文庫)
「水滸伝」(集英社)
「絶海にあらず 上・下」(2005中央公論新社)他


北村薫
「ニッポン硬貨の謎」(2005東京創元社)
「紙魚家崩壊 九つの謎」(2006講談社)
「ひとがた流し」(2006朝日新聞社)


京極夏彦
「京極夏彦対談集 妖怪大談義」(2005角川書店)
「京極噺六儀集」(2005ぴあ)


桐野夏生
「柔らかな頬」(1999講談社/2004文春文庫)
「ローズガーデン」(2000講談社/2003講談社文庫)
「光源」(2000文藝春秋/2003文春文庫)
「玉蘭」(2001朝日新聞社/2004朝日文庫)
「ダーク」(2002講談社)
「リアルワールド」(2003集英社/2005集英社文庫)
「グロテスク」(2003文藝春秋)
「残虐記」(2004新潮社)
「I’m sorry,mama.」(2004集英社)
「白蛇教異端審問」(2005文藝春秋)
「魂萌え ! 」(2005毎日新聞社)
「冒険の国」(2005新潮文庫)
「アンボス・ムンドス」(2005文藝春秋)


栗田有起
「ハミザベス」(2002集英社/2005集英社文庫)
「マルコの夢」(2005集英社)


【さ】

斎藤惇夫
「冒険者たち」(岩波少年文庫)
「グリックの冒険」(岩波少年文庫)
「ガンバとカワウソの冒険」(岩波少年文庫)


斉藤洋
「ルドルフとイッパイアッテナ」(1987講談社)
「ルドルフともだちひとりだち」(1988講談社)
「ルドルフといくねこくるねこ」(2002講談社)


酒見賢一
「後宮小説」(1989新潮社/1993新潮文庫)
「陋巷に在り」(新潮文庫)
「泣き虫弱虫諸葛孔明」(2004文藝春秋)


佐々木丸美
「恋愛今昔物語」(1979講談社/絶版)
「舞姫 恋愛今昔物語」(1981講談社/絶版)
「新恋愛今昔物語」(1981講談社/絶版)
「ながれ星」(1981講談社/絶版)
「影の姉妹」(1982講談社/絶版)
「罪灯」(1983講談社/絶版)
「罪・万華鏡」(1983講談社/絶版)
「橡家の伝説」(1982講談社/絶版)
「榛家の伝説」(1984講談社/絶版)


笹生陽子
「ぼくは悪党になりたい」(2004角川書店)
「サンネンイチゴ」(2004理論社)


佐藤賢一
「傭兵ピエール」(1996集英社/1999集英社文庫)
「双頭の鷲」(1999新潮社/2001新潮文庫)
「王妃の離婚」(1999集英社/2002集英社文庫)
「カエサルを撃て」(1999中央公論新社/2004中公文庫)
「カルチェ・ラタン」(2000集英社/2003集英社文庫)
「オクシタニア」(2003集英社)


重松清
「ナイフ」(1997新潮社/2000新潮文庫)
「エイジ」(1999毎日新聞社/2001朝日文庫)
「ビタミンF」(2000新潮社/2003新潮文庫)
「流星ワゴン」(2002講談社/2005講談社文庫)
「きよしこ」(2002新潮社/2005新潮文庫)
「疾走」(2003角川書店/2005角川文庫)
「卒業」(2004新潮社)
「いとしのヒナゴン」(2004文藝春秋)
「その日のまえに」(2005文藝春秋)


司馬遼太郎
「燃えよ剣」(新潮文庫)
「龍馬がゆく」(文春文庫)
「坂の上の雲」(文春文庫)
「峠」(新潮文庫)
「項羽と劉邦」(新潮文庫)
他諸々


芝田勝茂
「ドーム郡シリーズ」(小峰書店)


柴田よしき
「貴船菊の白」(2003新潮文庫)積読中
「ワーキングガール・ウォーズ」(2004新潮社)


真保裕一
「黄金の島」(2001講談社/2004講談社文庫)
「ダイスをころがせ! 」(2002毎日新聞社/2005新潮文庫)
「発火点」(2002講談社/2005講談社文庫)
「誘拐の果実」(2002集英社/2005集英社文庫)
「繋がれた明日」(2003朝日新聞社/2005朝日文庫)
「真夜中の神話」(2004文藝春秋)
「灰色の北壁」(2005講談社)


【た】

高楼方子
「時計坂の家」(リブリオ出版/1992)
「ココの詩」(リブリオ出版/1987)
「十一月の扉」(リブリオ出版/1999)


高村薫
「我が手に拳銃を」(講談社/1992)
「地を這う虫」(1993文藝春秋/1999文春文庫)
「照柿」(1994講談社/2006講談社文庫)
「レディ・ジョーカー 上下」(1997毎日新聞社)
「半眼訥訥」(2000文藝春秋/2003文春文庫)
「晴子情歌 上下 」(2002新潮社)
「新リア王 上下」(2005新潮社)


たつみや章
「夜の神話」(1993講談社)
「水の伝説」(1995講談社)
「月神の統べる森で」シリーズ(1998~講談社)


田中芳樹
「アルスラーン戦記」(カッパノベルズ)完結したら(笑)
「海嘯」(2002中公文庫)積読中
「岳飛伝」(講談社ノベルズ)
「随唐演義」(中公文庫)
「白夜の弔鐘」(2005トクマノベルズ)
「奔流」(2005祥伝社文庫)
「ラインの虜囚」(2005講談社)
「運命ー二人の皇帝」(2005講談社文庫)


田辺聖子
「私本・源氏物語」(1985文春文庫)積読中
「霧ふかき宇治の恋 上下」(1990/1993新潮文庫)
「おちくぼ姫」(1990角川文庫)積読中
「田辺聖子の古事記」(1991集英社文庫)積読中
「隼別王子の反乱」(1994中公文庫)積読中


陳舜臣
「秘本三国志 上下」(2004毎日新聞社)
「曹操 上下」(2001中公文庫)


都筑道夫
「なめくじ長屋シリーズ」(光文社文庫)


天童荒太
「あふれた愛」(2000集英社/2005集英社文庫)
「家族狩り 第1部~第5部」(2004新潮文庫)


天藤真
天藤真推理小説全集(創元推理文庫)他


【な】

梨木香歩
「エンジェルエンジェルエンジェル」(1996原生林/2004新潮文庫)
「裏庭」(1996理論社/2000新潮文庫)
「からくりからくさ」(1999新潮社/2001新潮文庫)
「りかさん」(1999偕成社/2003新潮文庫)
「ぐるりのこと」(2004新潮社)
「沼地のある森を抜けて」(2005新潮社)


【は】

帚木蓬生
「ヒトラーの防具 上下」(2000新潮文庫)積読中


畠中恵
「百万の手」(2004東京創元社)
「ゆめつげ」(2004角川書店)
「とっても不幸な幸運」(2005双葉社)
「アコギなのかリッパなのか」(2006実業之日本社)


東野圭吾
「予知夢」(2000文藝春秋/2003文春文庫)
「片想い」(2001文藝春秋/2004文春文庫)
「超・殺人事件」(2001新潮社/2004新潮文庫)
「レイクサイド」(2002実業之日本社/2005文春文庫)
「トキオ」(2002講談社/2005光文社文庫「時生」)
「ゲームの名は誘拐」(2002光文社/2005光文社文庫)
「手紙」(2003毎日新聞社/2006文春文庫)
「おれは非情勤」(2003集英社文庫)
「殺人の門」(2003角川書店/2006角川文庫)
「幻夜」(2004集英社)
「さまよう刃」(2004朝日新聞社)
「黒笑小説」(2005集英社)
「容疑者Xの献身」(2005文藝春秋)
「探偵倶楽部」(2005角川文庫)
「赤い指」(2006講談社)


福井晴敏
「月に繭 地には果実 上中下」(2001幻冬舎文庫)
「Op.ローズダスト 上下」(2006文藝春秋)


【ま】

宮城谷昌光
「太公望 上中下」(文春文庫)他


宮部みゆき
「ブレイブ・ストーリー 上下」(2003角川書店/2006角川文庫)
「ぱんぷくりん 鶴之巻・亀之巻」(2004PHP研究所)
「名もなき毒」(2006幻冬舎)


森絵都
「リズム」(1991講談社)
「ゴールド・フィッシュ」(1991講談社)
「宇宙のみなしご」(1994講談社)
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」(1996講談社/2005角川文庫)
「つきのふね」(1998講談社/2005角川文庫)
「永遠の出口」(2003集英社/2005集英社文庫)
「風に舞いあがるビニールシート」(2006文藝春秋)


【や~わ】

山崎豊子
「大地の子」(1991文藝春秋/1994文春文庫)
「沈まぬ太陽 全5巻」(1999新潮社/2001新潮文庫)
「白い巨塔 全5巻」(2002新潮文庫)


夢枕獏
「陰陽師 龍笛ノ巻」(2002文藝春秋/2005文春文庫)
「陰陽師 太極ノ巻」(2003文藝春秋)
「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(2004徳間書店)
「シナン 上下」(2004中央公論新社)


湯本香樹実
「春のオルガン」(1995徳間書店)
「西日の町」(2002文藝春秋/2005文春文庫)


横山秀夫
「陰の季節」(1998文藝春秋/2001文春文庫)
「動機」(2000文藝春秋/2002文春文庫)
「顔 FACE」(2002徳間書店)
「深追い」(2002実業之日本社/2005徳間文庫)
「真相」(2003双葉社)
「影踏み」(2003祥伝社)
「看守眼」(2004新潮社)
「臨場」(2004光文社)
「出口のない海」(2004講談社)
「深追い」(2005実業之日本社)
「ルパンの消息」(2005光文社)
「震度0」(2005朝日新聞社)


吉川英治
「三国志」(吉川英治文庫)6巻以降積読中(…)
「宮本武蔵」(吉川英治文庫)
他諸々


米澤穂信


米村圭伍
「風流冷飯伝」(1999新潮社/2002新潮文庫)
「退屈姫君伝」(2000新潮社/2002新潮文庫)
「錦絵双花伝」(2001新潮社/2003新潮文庫「面影小町伝」)
「おんみつ蜜姫」(2004新潮社)
「退屈姫君海を渡る」(2004新潮文庫)
「エレキ源内殺しからくり」(2004集英社)
「退屈姫君恋に燃える(2005新潮文庫)



【海外】

P・G・ウッドハウス
「ジーヴズの事件簿」(文藝春秋)
「ジーブスシリーズ」(国書刊行会)


ミヒャエル・エンデ
「モモ」(岩波書店)
「はてしない物語」(岩波書店)


E・L・カニグズバーグ
「クローディアの秘密」(岩波少年文庫)


スティーブン・キング
「グリーン・マイル 1~6」(1997新潮文庫)


スーザン・クーパー
「コーンウォールの聖杯」
「闇の戦いシリーズ」(評論社)持ってたんだが…(そして読んだハズだが…)


アンドレイ・クルコフ
「ペンギンの憂鬱」(新潮社)


アゴタ・クリストフ
「悪童日記」(早川文庫)
「ふたりの証拠」(早川文庫)
「第三の嘘」(早川文庫)


エーリッヒ・ケストナー
「エーミールと三人のふたご」
「点子ちゃんとアントン」
「ふたりのロッテ」
「飛ぶ教室」


ダイアナ・W・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」(創元推理文庫)
「魔法使いはだれだ」(徳間書店)
「クリストファーの魔法の旅」(徳間書店)
「トニーノの歌う魔法」(徳間書店)
「魔法がいっぱい」(徳間書店)
「グリフィンの年」(創元推理文庫)
「いたずらロバート」(ブッキング)
「マライアおばさん」(徳間書店)
「七人の魔法使い」(徳間書店)
「時の町の伝説」(徳間書店)
「呪われた首環の物語」(徳間書店)
「花の魔法、白のドラゴン」(徳間書店)
「デイルマーク王国史」(創元推理文庫)
「星空から来た犬」(早川書房)
「魔空の森 ヘックスウッド」(小学館)
「バウンダーズ」(PHP研究所)
「時の彼方の王冠」(創元推理文庫)


カレル・チャペック
「長い長いお医者さんの話」(岩波少年文庫)


リザ・テツナー
「黒い兄弟 上下」(あすなろ書房)


J・R・R・トールキン
「ホビットの冒険」(岩波少年文庫)上のみ積読中
「指輪物語 追補編 」(2003評論社文庫)
「新版 シルマリルの物語』(2003評論社)


フィリパ・ピアス
「トムは真夜中の庭で」(岩波少年文庫)


スーザン・プライス
「ゴースト・ドラム」(福武書店)


ゲアリー・ブラックウッド
「シェイクスピアを盗め!」(白水社)
「シェイクスピアを代筆せよ!」(白水社)
「シェイクスピアの密使」(白水社)


オトフリート・プロイスラー
「大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる」(偕成社)
「大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる」(偕成社)
「クラバート」(偕成社)


パトリシア・マキリップ
「妖女サイベルの呼び声」(ハヤカワ文庫)
「星を帯びし者」シリーズ(ハヤカワ文庫)


J・K・ローリング
「ハリーポッターと秘密の部屋」(2000静山社)
「ハリーポッターとアズカバンの囚人」(2001静山社)
「ハリーポッターと炎のゴブレット 上下」(2002静山社)
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 上下」(2004静山社)
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2006静山社)


アン・ローレンス
「幽霊の恋人たち―サマーズ・エンド」(偕成社)



【etc.】

「大極宮3」(2004角川文庫)

「九龍妖魔學園紀シナリオブック 上下」(2004新紀元社)
アンテナ
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大奥 1巻  [Edit]
2005-10-27 Thu
 お友達が貸してくれましたー。「将軍さまがカッコいいのーv」って…そっかそうよね、逆転大奥だもんね、女よね(爆)。いやしかしこりゃマジでカッコいいや(笑)。そして面白ーい!大奥に美男三千人(爆笑)ていうからてっきりギャグかと思ってたらパラレル歴史物なのね~~^^。ちょっとメロディ立ち読みしてみて、次から買うかも…。

 江戸時代。原因不明の疫病で男子人口は激減し、婚姻制度は破綻。働き手は女に、そして男は貴重な子種を持つ宝として大切にされる中、三代家光以降将軍職もまた女子が継ぎ、そしてその公方様にのみ許された最高の贅沢が美男三千人の大奥なのだ~すげ~(笑)。とは言え八代吉宗の時代には幕府は未曾有の財政難で、けちで貧乏性質実剛健質素倹約を旨とする吉宗は大奥でもリストラを断行するわけですが。と同時に、女が男名を名乗って家を継ぎ、対外的には女が国を動かしていることを知られないように振る舞っているこの国の過去と秘密に迫っていく…のかな?とにかく面白そうです。

 1巻の表紙を飾った水野はてっきり主役級かと思ってたけどもう出てこないのかな?まずはこの国の歪んだ現状と大奥という「女人禁制」の世界のお披露目編だったのかも。いやこれもすごい世界ですが、でも女の大奥よりはコワくないような気が…まあよしながさんだからでしょうが。柏木のカムバックはないのかなーこのままいなくなるのは惜しいなー(え)。まあ杉下が残ったのは嬉しい^^。加納といい吉宗の側近には少ないながらもいい人材がそろいはじめててこれからが楽しみっす。大岡越前もいい味~(笑)

 それにしても上様…神出鬼没であらせられる。あのつまみ食いっぷりが漢らしすぎます…う~ん、ロシアンルーレット(笑)。これからの大奥がどうなっていくのか、そしてこの国の行く末がどこに行くのか…大きな話になりそうでワクワクします~!

大奥 1 (1) よしながふみ(JETS)
comic | よしながふみ
CM:0 | TB:0 |
つくも神  [Edit]
2005-10-27 Thu
 表紙のかえるがかわいかったので…(またか<殴)。中学生になってからめっきり生活が荒れた兄がいるほのかの家はここ1年ばかり団らんもないし、老朽化したマンション内ではしょっちゅう修繕問題がのしかかってきて母親も気苦労が絶えない。ほのか自身も学校で仲が良かったグループの空気が微妙に変わってきてたりして、あちらこちらで人間関係がぎくしゃく…そんな世知辛い現代を舞台に、「つくも」たちの存在が違和感なく融合しておりました^^

 おしゃべりで医者きどりのネツケは愛嬌があってかわいいし、フロシキは妙に渋くてカッコいいし(笑)、無口なウスもすごい存在感…ただ歳を経ただけでなく、自分を使ってくれた人間への愛情が根底にある彼らは、自分たちの居場所を守るついでに昔馴染みの人間たちに愛の喝を入れていってくれるのだ。急いで変わりたがる人間たちに、そんなに急いでどこ行くのと。古いものだって捨てたもんじゃないでしょと。憑き物が落ちたようにギスギスしてた大人たちに穏やかさが戻ってきたのが、見えないながらも「つくも」効果なのよねー。

 常に新しいものを求めるのは疲れるし、ふっと力を抜いてみれば逆に新鮮な景色が見えるかもしれない。それまで知ってるようで知らなかった友達のことももっとよくわかるようになるしね。昔の気持ちを思い出せば見えてくるものもあるでしょう。「つくも」たちと触れ合った時間は決して長くはなかったけど、むしろその境界があるからこそちょっと淋しくもほんのりあったかい気持ちを残してってくれたような気がします。

 自分的キーポイント兄妹ですかね~「合い言葉は?」「そんなもん、いつできたんだよ」がツボにはまりました(笑)。随分口をきくこともなくなってた兄貴だけど、妹が怖がってるとなったらやっぱり気になるわけですよ、ふふ。ペンダント作ってやったりねー。いやーこの兄貴がなかなかよいキャラでした。この年頃の男の子らしく、ぐんと大人びてきててでもかわいいところもあって。「つくも」に対しても幼なじみに対しても、言葉は少ないけどどう思ってるのかちゃんと分かる。うん、この言葉数少ないとこがポイント高いのよねv

つくも神 伊藤遊(ポプラ社)
novel | 伊藤遊
CM:0 | TB:0 |
おまけのこ  [Edit]
2005-10-26 Wed
 相も変わらず寝込んでばかりの若旦那の日常を、家主よりも偉い二人(?)の手代、そして妖たちが賑やかしてくれるシリーズの4作目。今回は謎解き要素もあるけどどっちかっていうとミステリメインじゃなく、むしろ人情ものっていうか、いろんな人の思いが丁寧に描かれててよかったなー。

 「こわい」、狐者異は何に出てきた妖だっけ…京極?それとも宮部さんだったかな?名前だけだったかな…ともあれこの話では「妄念と執着を呼び込む妖」で不幸の連鎖を呼ぶらしいです。これだけ今までの話とも他の妖の扱いとも随分違った感じですねえ。まあ私は「なんで優しくしてくれないんだ」っていう言い分はあんまり好きじゃないですが(仁吉だって佐助だってつらい過去を乗り越えてきてるんだもんー)、その大妖さえ哀れに思うくらいだからその生まれにどうにもならない気の毒な事情があるのかもしれないすね。妖の世界の成立に関わるような謎が…(本当かよ)。栄吉の「男伊達」っぷりが嬉しい話だったけど、それにしたってあんまりな腕前…「もの凄く甘くて、舌が痺れるようにからい」饅頭て一体(涙)。決意は買うし栄吉の成長を楽しみにしてる私だけど、せめてもうちょっと未来に期待が持てるような設定にして欲しかった…っ;

 「畳紙」、屏風のぞきの男前な優しさに惚れたー///(笑)。厚化粧で自分を隠さずにいられないお雛の不安と、それを今更どうやってやめたらいいのかがわからない気持ちはなかなか人間心理を突いてるし、それに屏風のぞきが一肌脱ぐのが面白かったんだけど、その原因が幼い頃からの祖父母との気持ちの行き違いってのがちょっと分かりにくかった、か?…ていうか祖父母の心配の仕方が随分的外れなような…どちらも不器用だったんだろうねえ。

 「動く影」は5才の若旦那の冒険。栄吉と若旦那がホントに友達になったきっかけの話でもあるし、幼く病弱ながら妖の助けを借りずにがんばってて偉かった…ってか今はホント甘やかされてこんな冒険させてもらえないのね~(^_^;;

 吉原の禿を足抜けさせる「ありんすこく」は、楼主も旦那もやさしいしいい話なんだけど、反面もう一人の禿が遊女の悲しみを一身に背負ってるとこにただほのぼのじゃない味わいがありましたねー。ちなみに女形になるのはてっきり屏風のぞきかと思ってたんですが…似合いそー(笑)

 ラストは鳴家の冒険「おまけのこ」。若旦那の「うちの子」発言にはついほろっとしてしまったではないの。若旦那にとっては家族なんだよなあ。袖の中で安心してぬくぬくしてるのが何ともかわいいです。

 今回若旦那メインなのは過去バナだけだったんで、ジュブナイルっぽさはあんまりなかったけど、その分今までより市井の人々が生き生きしてて、話もバラエティに富んでてどれもおもしろかったです^^

おまけのこ 畠中恵(新潮社)
novel | 畠中恵
CM:0 | TB:0 |
大どろぼうホッツェンプロッツ  [Edit]
2005-10-25 Tue
 一昔くらい前、NHKの短いアニメで時々やってたような気がするんだけど中身はとんと記憶になかった…(関係ないけど同じ頃「ルドルフとイッパイアッテナ」も時々観てていい話やなーと思ってた。てっきり古典なんだと思ってたら当時まだ新しい童話だったのを知ってびっくりしたおぼえが)。「ホッツェンプロッツ」ってシリーズが3作も出てるし「主役」なんだろうからどこかまぬけで愛すべき泥棒なのかと思ってたら、いやー意外としっかり悪人でしたね(笑)。友達の魔法使いの方がまだご飯くれるだけいい人なくらい…2作目3作目になるとちょっとは性格変わってくるのかな~?彼には彼なりに、孤独で誰も信じない悪党になるまでには多分いろいろと人生の紆余曲折があったんだろうし(?!)ちょっとは改心していい人になっちゃったりするのか、それともこのまま詰めが甘いところが可愛気の泥棒のままなのかどっちかなー?

 奇しくも子供がどろぼうを捕まえる話が続きましたが。これは魔法や妖精が出てくるので民話やおとぎ話に近い味わい…かな。そう言えば外国の民話って結構コワイものが多かった気が。悪い人は容赦なく酷い目にあったりするのよねー(意地悪なお姉さんが足切られたりするんだ、ヒー;)。この話も軽快な割には意外とコワいぞ…ホッツェンプロッツは改心するが吉だと思います(笑)

 魔法使いや妖精といった存在は好きだったにも関わらず、それが出てくる物語で好きだったのはっていうと意外と思いつかないんだよなあ。世界観からして違うファンタジーに限らず、こんな風な童話もあんまり覚えがない…。触れる機会があまりなかったのか、それとも昔っから妙に現実的な子供だったのかもしれません(^_^;;。その分を埋めるべく(?)民話や伝説ベースの物語やファンタジーっぽいものをちょこちょこ読む予定。プロイスラーは民話や魔法をもっと重苦しく扱ってそうな「クラバート」が気になってますー。

大どろぼうホッツェンプロッツ オトフリート・プロイスラー(偕成社)
novel | プロイスラー
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エーミールと探偵たち  [Edit]
2005-10-25 Tue
 名前は知ってても読んだことのなかった作家シリーズ(長い)。思えば小学生の頃から、お気に入りは少しだけあれば満足な子供でした…手当たり次第、次から次へと開拓していくより同じ本を何度も何度も読むタイプだったかも。これが好きなら次これ読んでみたら?と勧めてくれる存在も特になかったので、今になって思えば読んでおきたかったな~って本が結構ごっそり抜け落ちてるのよねー;

 さてケストナー。この作風はいいですね~気に入りましたv。きっと小学生時代の私も好きになったと思う(笑)。自分のいる日常には冒険や面白いことがたくさんある、そういう物語を書くぞーという序文の「話はぜんぜんはじまらない」がこの作家らしさをよーく表してるみたい。ひらめいたお話のつかまえ方なんて、創作する人はきっとうんうん頷いちゃうじゃないでしょか(笑)…ホント物語って生き物で、ケストナーはそれをこうやって生きてるように書き上げてくれる作家だなあと思う。そこに生きてる人の息吹が伝わってくるわ^^

 学校の休みにベルリンの親戚の家に遊びに行くことになったエーミール。女手ひとつでエーミールを育て、他の子供たちと変わらない学校生活を送らせる母親の生活は厳しいのだけど、何ヶ月もやりくりしてやっと母親への仕送りとエーミールの旅費を貯めてくれたのだ。なのにそのお金がベルリン行きの個室列車の中で盗まれてしまう。そこで犯人と思われる男を追ってエーミールの大追跡がはじまったー

 初めての大都会、お金もなくたった一人だったエーミールが、ベルリンっ子たちと知り合って友情を築いていくのがすごくわくわくする。特に「教授」はかっこいい(笑)。エーミールとは生まれも育ちも違うのに、根っこのところが似てるというか通じ合うものがあって大きくなってもいい友達になれそうなんだよな。お互いの故郷や親の話をするところがすごく印象的だった。ちょい出だけどミッテンツヴァイ兄弟も何だかお気に入りだし、いろんな子供たちが性格豊かに描かれてていいんだなあ。そして何より子供たち自身が知恵をしぼって事に当たってるのがスカッとします~。真剣な子供たちの話にはちゃんと耳を傾けてくれる大人の存在も嬉しいし、どろぼうを捕まえた後の展開なんて、まさしく子供の頃好きだったパターンだわ^^。努力と勇気に見合う名誉と富を手に入れながら、それ以上に大事なものが何かちゃーんと知ってるところが。

 それでもって、子供の目線で描かれた冒険の話ではあるんだけど、それを取り巻く大人たちの目線も忘れちゃいけない。高度成長時代のベルリンと、急いでる時には歩いた方が早い鉄道馬車がまだ幅をきかせてる田舎の違いにも、親子や家族といったものにも、大人が子供たちに注ぐ目にも、作者の現実を見る目が生きてて実に地に足のついたお話になってるんだよねえ…うん、いい。他のもまた読んでみよう~。

エーミールと探偵たち エーリヒ・ケストナー(岩波少年文庫)
novel | ケストナー
CM:0 | TB:0 |
明日は温泉ー  [Edit]
2005-10-22 Sat
 …もとい、実家で法事。その後久々に両親と姉弟妹家族勢揃いなので(ちなみに私が姉です)湯涌温泉行ってきまーす。泊まれない上に多分運転手だから飲めないけど、近すぎて逆に行ったことなかったんで楽しみ♪

 ところで只今の読書状況…バラッバラ(笑)。ちょうど目の前で返却されてきた「ダヴィンチ・コード(上)」の予約が(多分)初めて切れたのでつい借りてきちゃった。んで1日で読んでしまったんだけど上下巻のタイムラグかなり大きくなってたんで下巻が帰ってくるのはもちょっと先かも。それで合間に読んでるのが「シェーラ姫のぼうけん」(笑)。1日3冊くらい読めそうですが、これも真ん中の5巻だけ貸出中だったんでまた中途半端に合間が…さてこの週末何読もうかなあ~と思ってるところっす。

 ちなみに今借りてきてるのが(そしてもうすぐに期限が来てしまいそうなんだが;)アン・ローレンス「五月の鷹」、ナルニア「銀のいす」、金城一紀「対話篇」。あーあと自分用に借りたんじゃないけどプロイスラー「大どろぼうホッツェンプロッツ」とケストナー「エーミールと探偵たち」も読もう。そうそうDWJアンソロ他京都私設情報局もあるぞv(お二人ともべりさんくすですvv)

 そんなわけでかなり統一感のない読書ライフ中。そして来週あたり予約中の畠中恵「おまけのこ」、浅田次郎「憑神」「ダヴィンチ・コード(下)」あたりがバッティングしてやってきそうな気が。うっまたまた感想溜まりそう~;
memo
CM:0 | TB:0 |
文鳥様と私 7巻  [Edit]
2005-10-22 Sat
 ああっ何だか闘病介護日記みたいになってきました(^_^;;。愛と笑いの文鳥ライフに漂うこの緊張感…読みながら何度ハラハラしたことか。と、とりあえず今回もシンノスケもナイゾウも見た目より年取ってそうなササメも無事に過ごせてよかったわ。でも…流血とか瀕死とかそろそろ見るのが怖いような、わ~ん;バーバラに合掌…(チ~ン)

 しかし表紙や口絵カラーは相変わらず美鳥…桜色のくちばしが愛らしいv。そしてフクザツな文鳥心と愉快過ぎる行動が相変わらずおかしいです(笑)。捨てた割りばしは戻ってくるし、弱っても情けは受けないし、パニくってたはずが途中から絶好調で歌ってるし。今さん翻訳の文鳥語にはこんな高齢化闘病ライフでも笑ってしまうのでした。

 今市子(あおば)
comic | 今市子
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少女探偵サミー・キーズと小さな逃亡者  [Edit]
2005-10-21 Fri
 4作目はクリスマス。犬の誘拐事件の責任を被せられ、しかも脅されて危険な探索をしないといけなくなるわ、家出少女を拾って送り迎えをすることになるわ、グレイビルさんの思わぬ秘密に触れることになるわ、ヘザーには邪悪な笑みを送らないといけないわ相変わらず大忙し。あ、クリスマスプレゼントも用意しないと…ヒー私だったら頭がわやになりそう(笑)。それに何より心を乱す母親のこともある。わずか13才でこれだけのことを抱えるのは本当に重いと思うんだけど、でもこれにひとつひとつ向かっていくことで、サミーの中に渦巻いてた感情が整理され、やらなきゃいけないことやなりたい自分が見えてくるのが分かるだよね~。痛快な楽しさの中に今回も人間の心理がなかなかに深く描かれてて思わず唸ってしまいます。

 一つは「許す」ということについて。ひとを許せず、恨むことを原動力にして人生を無駄にしてしまった何人かの大人たちの姿はリアルですねえ。それがどんな強い原動力になり得るか、一度そこに入り込んだら出るのがどれだけ難しいかはきっと子供にも想像がつくと思う。人の感情のままならなさに触れ、でも子供だからこそそこで間違わず正しく生かしていこうとする気持ちが響いてほろっときたよ…。ああしろこうしろとは言わないけど大事なことを教えてくれるハドソンの存在も大きいよなあ~…「それはきみしだい」「激流を遡ることに決めたなら、岩の間をぬっていけ」。必要以上に手を出さず自分で考えさせようとするハドソンと、拠り所にしながらも頼らず自分の意思で決めようとするサミーがいいのです。ラストのクリスマスプレゼントの章には泣かされたしな…涙を越えた先に力強さと光があって、ラストの一文がまたぐぐっと来るのよねえ~><

 もう一つは子供が「死」を乗り越えることについて。父親の死という概念を触れさせないようにしてる周りの大人たちの様子と、逆にそれ故に心の拠り所を見つけられなくて家出を繰り返すエリサの話は、さり気なく描かれてるけどこれまたなかなか深いですー。

 許しとか死とか、なんだかえらく宗教的で心理学っぽい話みたいだけど(笑)、やそんな押付けがましさは全然ないです。読んでて子供たちの心の成長がするっと入り込んでくるのよねえ。大人が思ってるよりずっと物事を深く感じとって考えてるってこと。越えようとする力が備わってるってことを素直ーに感じさせてくれて好きだなあ。あくまで13才のサミーの日常と(たまに非日常と)感覚がベースなのよね^^

 学校でのクリスマスのプレゼント交換は楽しそうだったわー。町をあげてのクリスマスパレードもそうだけど、クラスでお互いがサンタになってこっそりプレゼントを贈り休み前の最終日のパーティでに正体を明かすなーんて日本にはない習慣とか、英米児童文学の楽しい部分だと思う♪これがヘザーにいっぱい食わせるのにも一役買い、「あたたかくて、幸せで、平和な気分」にも一役買うんだから上手いわ~。ボーシュ巡査へのクリスマスプレゼントも効いてるしね。あちこちまあるく収まり満ち足りた気分になったところで、パーティの後の静けさと淋しさが、そしてまたささやかなあたたかさがやってきて余韻が残る。とってもクリスマスに相応しいお話でした~^^

少女探偵サミー・キーズと小さな逃亡者 ウェンデリン.V.ドラーネン(集英社)
コメントを読む(3)
サミー・キーズ  by おむらよしえ
読み始めました!サミー・キーズ。
お勧めどおり面白いですね~。早く次の巻が読みたいです。
いまどきのこどもでありながら、とんがりすぎてないところがよかったです。
管理人のみ閲覧できます  by -
>おむらさん  by banri
おむらさん、こんばんはー^^
これから読もうとしてた児童書は全然違うやつだったんですが、たまたま手に取ったのが面白かったものでつい長々書いてしまいました(笑)
気に入ってもらえました?嬉しいです~

>とんがりすぎてない
そうそう、そんな感じ。好奇心だけで突っ走るスーパー少女探偵じゃないとこもいい感じっす。状況や感情も少しずつ変化していってるので次の巻も楽しみです♪

>P.S.
こちらこそありがとうございました~v
novel | ウェンデリン.V.ドラーネン
CM:3 | TB:0 |
少女探偵サミー・キーズと消えたゴブレット  [Edit]
2005-10-19 Wed
 今回は感謝祭と家なき子とソフトボール。一見無関係な物事がちゃーんと絡み合っててますます物語に厚みが出てきたような気がします。言い回しや文章も好きだなあ~。私どっちかっていうとアメリカ的エスプリたっぷりの言い回しって苦手なんだけど、ニンジンスキーな犬グレゴリーのところとか、ドイツから来た交換留学生につられてついヤー(Ya=Yes)とかダス(Das=That)を連発してしまうとか(伝染性って…関西弁ですかい)細かいところがいちいち楽しい♪もちろん楽しいばかりじゃないんだけど、それが皆サミーの糧になってくところにしっかりした「物語」があるのです。

 まずは感謝祭。前回校内放送を私的ジャックしたことへのペナルティとして教会で奉仕活動することになったサミーだけど、そこで神父さまの十字架とゴスペル盗難事件発生。寄付金集めのためにゴスペルを歌う「慈悲のシスター」の出現で教会には微妙に不協和音が漂いはじめ…ミステリ要素で引っ張りながらも、教会の中の決して聖いだけでない人間模様が上手いなー。

 それから家なき子のホリー。施設に育ち、里親のところでも辛い仕打ちを受けてきた彼女はそこを逃げ出して川原で冷蔵庫の段ボールに暮らしている。それがサミーには「もう一人の自分」に思えて心が痛んでるのが伝わってくるんだよね。何とかしてあげたいという思いも他人事でなく、ホリーに心が寄り添ってるからこそ人を動かすんでしょう。

 そしてメインは何と言ってもソフトボール大会。マリッサも普段の大人し目の印象はどこへやら、ソフトボールとなると人が変わったようにクールなピッチングとリーダー気質も見せてくれて多いに見直したわ~やるじゃんv。宿敵ヘザーとも今回はソフトボール対決で、サミーにとっては父親キャッチャーミットっていうキーアイテムもある。父親を知らず、母親にとっても自分が生まれたことは「まちがい」だったんじゃないかと思ってるサミーにとって、それは唯一親の存在を証明する拠り所なのだ。あと、ヘザーがサミーを憎むのは何か理由があるんだろうと思ってきたけど、父親関係なのかなー?ますます気になります。

 三題噺それぞれに読みどころがあって面白く、しかもその三つをカクテルしてすごくおいしいディナーに仕上げてくれたのがお見事!親がいないことを憐れまず、今自分を分かってくれる人たちが周りにいてくれることを幸せだと思うことができれば…それはそこに辿り着くまでの一つひとつを自分で見、考えてしっかり受け止めてきたサミーの本心ではあるけれど、口には出せない思いもやっぱりあって。いろんな思いを飲み込んだ「感謝します」にぐぐっとくるのよね~。

 あと特筆すべきはボーシュ巡査がサミーを分かってくれる人の一人になったのが嬉しかったのと、「だれにでも貸すわけじゃないから、な」でしょう~v。いやーやってくれるわブランドン…その「、な」が凶悪///。まだまだ恋愛色は極薄だけど、却ってこんなのの方がラヴ度高いです、私(笑)かわいいなあv

少女探偵サミー・キーズと消えたゴブレット ウェンデリン.V.ドラーネン(集英社)
novel | ウェンデリン.V.ドラーネン
CM:0 | TB:2 |
少女探偵サミー・キーズと骸骨男  [Edit]
2005-10-19 Wed
 タイムリーにハロウィン。しかも今回の事件は古書ものvv。や、あんまりよくは知りませんが(オイ)アメリカンミステリでは初版本や稀覯本を巡るミステリって(多分)立派に一つのミステリ分野なのでは。少なくとも私は滅多に洋書ミステリ読まないのにジョン・ダニングの「死の蔵書」と「幻の特装本」は買ったぞ、えっへん。…つまり私が好きなんです(笑)

 というわけでハロウィンの夜、大きくて立派なのに電気も電話もないブッシュ・ハウスから飛び出してきた骸骨男に扮した泥棒にまたもやサミーはバッティング。そして泥棒もさることながら、その鬱蒼とした屋敷に世捨て人のように独りきりで住むチョーンシーが気になって首を突っ込んでしまうのだ。犯人を捕まえて事件を解決したいわけじゃない。元はとても優秀な大学講師だったという彼の家は,音楽とコーヒーの香りに溢れていたとハドソンは言っていたのに、何故今こんなさみしい暮らしをしているのかがサミーの心に引っ掛かるんだよね。

 学校ではマリッサに加えて新しい友達ドットが仲間入り。二人のキャラもしっかり立ってて学校生活は楽しいんだけど、サミーにはどうしても埋まらない淋しさがあるんだと思う。だから孤独な人に共鳴してしまうんだろうな…痛みが分かるから放っておけないのだ。ヘザーやグレイビルさんを憎めないのもきっと彼女たちの孤独を無意識に感じ取ってるからなのかもね。でも取り合えずまだ中学生。自分に意地悪な人に優しくできるほどサミーだって大人じゃないわけで、ヘザーには今回もキッチリ倍返ししてるわけですが(笑)。それでもヘザーがただ毎回サミーにやられる「だけ」のキャラには思えないからね~ここまでサミーを「だいっ嫌い」な理由はいずれ出てくるんだろうな。この二人がどう変わっていくのかが実は一番楽しみなところかな。

 前作ではまだイマイチどういう人か分からなかったハドソンも、段々キャラが立ってきていい感じ^^。推定72才だけど気持ちが軽やかで、サミーにとってはなくてはならない「味方」。そして「人生の師」でもある。何でも知ってるし何でこんなものまで…って物まで出てきたりするのでハドソンの過去にも興味があるけど、それよりハドソンとおばあちゃんが友達以上になれるかどうかも密かに楽しみにしてたりして(笑)

 そんなこんなでサミーの日常そのものがスリリングで、走り回りながらもいろんなことを感じて吸収していく物語が面白いこのシリーズだけど、ミステリとしても1作目よりぐんと面白いですv。ただ解決するだけじゃなくて事件を通してサミーが「人の心」を知って成長していくのがいい。今回は好きな古書ものってこともあるけど、段ボールの中の稀覯本さながらにセーターを手にいれるところには思わずにやっとしちゃうし、ラストはとっても幸せな気分になれてよかったな~^^。チョーンシーもサミーも、稀覯本の価値より大事で豊かなものを手に入れるのよね。そしてその気持ちを分かち合える人がいるってのが何より幸せなことだよなーv

少女探偵サミー・キーズと骸骨男 ウェンデリン.V.ドラーネン(集英社)
novel | ウェンデリン.V.ドラーネン
CM:0 | TB:0 |
少女探偵サミー・キーズとホテル泥棒  [Edit]
2005-10-17 Mon
 サミーはハリウッドスターになりたい母親に預けられておばあちゃんの高齢者専用マンションにこっそり暮らす中学1年生。見つかったら規約違反で追い出されるからこそこそ出入りしなくちゃいけなくて、誰かがおばあちゃんの家を訪ねてこればクロゼットに隠れないといけない。荷物だって最低限しか持ってない。だから退屈しのぎに双眼鏡で外を偵察していたら、向かいのホテルで男がお金を盗んでいるところを見てしまい…あろうことかその男に向かって手を振ってしまったのだった…!

 表紙のイラストがかわいいシリーズ。カワイイんだけどキラキラでも甘くもなくって好きなんだよね~…というだけで読んでみる気になったんだけど。翻訳の読みにくさがなくってなかなか面白かった。「ガールズ」シリーズあたりだと中学生でもいかにも外国っぽく背伸びしててYAって感じだけど、これは日本の中学生って言っても違和感がないような。まだまだ恋愛関係も初心だし安心(笑)…ってか元気がよくって、それでいて子供ならではの悩みや心の傷も抱えてるサミーが等身大で好感v

 読んだ印象は赤川次郎みたい…や、悪い意味でなく!(笑)女の子のイキがよくって魅力的なところとか、いくつかのミステリがきれいに解決されて丸く収まるところとか、事件を解決するのが中学生だったり猫だったりしても全然OKと思える爽快感とか。赤川次郎は「吸血鬼はお年頃」のシリーズと「三毛猫ホームズ」は結構長く読んでたなー。どれを読んでもハズレはほとんどないというのがすごいと思うけど、ただ長いシリーズだと主要人物たちの関係や気持ちにほとんど変化がないのがね。安心でもありそろそろいいかと思ってしまうところでもあったりして。最近のは全然読んでないので今もそうかは分かりませんが…。サミーが大人を当てにしないで事件を解決してもウソっぽく思えない話の持って行き方とキャラ作りの上手さが赤川次郎に通じるものがあるなと。

 「少女探偵」と言っても事件がメインってわけじゃなく。むしろサミーの学校生活や友人関係、日常のあれこれが読んでて面白い。マンションには常にサミーの規約違反の証拠を掴もうとしているグレイビルさん、入学したての学校ではしょっぱなにケンカして以来仕返しの機会を狙ってるヘザー、サミーが事件に首を突っ込むのにウンザリして相手にしてくれないボーシュ巡査といった敵の面々に、おばあちゃんや親友のマリッサや静かに見守ってくれるハドソンといった味方がうまーく配置されてて、それぞれとの会話や関わりの中で性格や問題が浮かび上がってくるのよね~。まだ12才だけど、その一つひとつに真剣に向かい合っていくサミーは、決して「何でもできるスーパーな女の子」じゃない。母親に置いていかれたことや信じてもらえないことに傷つき、意地悪にはキッチリお返ししてみせながら、少しずつ自分の居場所を作ろうとしてるのだ。

 これはまだ1作目なので、この後どういうシリーズになるのか分からなかったせいもあって「なかなか面白い」だけど、実はこれ、この先どんどん面白くなっていきます~v。日本の「子ども探偵モノ」にも多い子どもが事件を解決してナンボという、スカッと爽快だけどパターンが決まってるお子様向けミステリー…とはちょっと違う。何だろ、確かに犯人を捕まえたりヘザーをやり込めたりサミーの活躍は爽快ではあるんだけど、サミー自身はその爽快感に浮かれてないんだよね。それはサミーが本当に欲しいものじゃないから。事件を解決すれば母親が帰ってくるわけでも、安心して家や学校で生活できるわけでも、皆と上手くやっていけるわけでもないことをサミーは知ってる。毎回ミステリーはあれど、メインはその中で少しずつ変化し広がっていくサミーの世界なのです。以下シリーズの感想続きマース^^

少女探偵サミー・キーズとホテル泥棒 ウェンデリン.V.ドラーネン(集英社)
novel | ウェンデリン.V.ドラーネン
CM:0 | TB:0 |
朝びらき丸 東の海へ  [Edit]
2005-10-14 Fri
 続けてナルニア3作目。2から続いてカスピアン王の時代ですね。今回は予告された通り兄妹のうち年少組のエドマンドとルーシィだけがナルニアに呼ばれるわけですが…何と言っても前半の主役は一緒に来るもう一人、いとこのユースチスでしょう!いや~楽しかった^^。物語を読まない子供が来るには場違いな世界に投げ込まれて、この世界では全く通じないにも関わらず一人孤高の常識人であり続ける彼の日記は面白いです(笑)。この世界に相応しいエドマンドやルーシィにはない視点でただでさえ憎めないところにもってきて、竜の島のエピソードで断トツ愛すべきキャラとして定着してしまった。さみしさを知り、誰かのために何かをする喜びを知り、友情とやさしさを知って、それでも時々は常識が邪魔をして完全には「ナルニアの子」になりきれないところが却って「いい子」過ぎなくていい(笑)

 竜になってからのユースチスと彼を慰めるリーピチープとの友情は一番好きなシーンだな~。自分の中の騎士道を貫くリープを一番理解できたのは、ひょっとしたらユースチスかもしれない。それくらいリープが彼に与えた影響は大きかったんじゃないかって気がする。きっとこれからユースチスが生きる上での規範になると思うなー見えないところでね。

 旅の目的はカスピアンの父の友人たちを探し出すことだったけど、それ自体はむしろ手掛かりであって、「東の果てのはじまりの地」まで行くと冒険とは全然違うものですねえ。正直言って、他の世界から繋がってるような扉とか星の生まれ変わるところとか海底の都とかになるとどう考えていいのか分からないわ~。ルーシィが海の中の少女も意味あり気で元の世界で再び出会うのかもと思うし、何か物語全体にとっての意味がありそうなんだけど…。ただ物語の流れがもう人の手を離れてしまったような印象を受けます。目的を果たすための旅ではなく「何か」の意思に導かれているような。望んで徃く者もあれば望んでも往けない者もあり、人はそれぞれの定めなり務めを全うしないとならないといったものが通底してるような気がする。そしてナルニアという世界にもそういう役割や定めがあるのかも?…わかりませんが。

 そう言えば前巻だったか、リーピチープがしっぽを無くした時の自分自身の誇りに対する忠誠と他のネズミの信頼に、アスランが「私を打ち負かした」というところがあって印象深かったんだよね。本来、ひとがそれぞれ背負った役割や定めがちゃんと果たされるか見届ける、導くのがアスランの役目のように思えるんだけど、リープはそれを超える意思の力を見せてくれたわけだ。運命に従容と従うだけでなく、ひとには時としてそれを打ち破る力があると思えるシーンで私も嬉しかったんだけど、アスランも嬉しかったのかもしれません。あるいはだからこそ、今回再び「石のナイフ」の魔法を打ち破るのにリープが選ばれたのかもね。この旅は、最初から彼を東の果てに導くためにあったという気がしてなりません。あ、だからリープの精神を受け継ぐためにユースチスが連れてこられたとかだったらいいなあ~^^。カスピアンはかわいそうな気もするけど星の乙女を妻にできたわけで…彼にとってはそのためにあった旅だったんでしょう、きっと。

朝びらき丸東の海へ ナルニア国ものがたり (3) C.S.ルイス(岩波少年文庫)
novel | C.S.ルイス
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カスピアン王子のつのぶえ  [Edit]
2005-10-14 Fri
 ナルニア2作目、時代は「ライオンと魔女」から随分下り、ナルニアから人ならざる者たちが追い払われて人間の国となっていた頃。ある者たちは力を失い、ある者たちは隠れ住み、ある者たちは人間たちの血と混じり合って、アスランも元のナルニアも信じることを禁じられ伝説としてすら遠くなっていた時代に、征服者の末裔でありながら元のナルニアに憧れるカスピアン王子が叔父の手から正当な王位を奪還するお話。

 これは面白かったですね~。駅のホームにいた4人の兄妹が再び呼ばれるところから冒険の連続だし、子供たち自身で行き先を決めて進んで行くので物語が意思的でぐいぐい引っ張られるし。子供たちはそれぞれ個性がはっきりしてきて、特にエドマンドが随分成長して一本芯の通った男の子になってるのが頼もしくも嬉しかったな。

 カスピアン王子の旅の方もなかなかに山あり谷ありで、元のナルニアを見い出し仲間を集めるも、長い時を経てこちらも古き良き時代のままではないのが面白かったけど、4人兄妹の旅は更に興味深かったわ。元の王や女王だった彼らでさえ、再びアスランを見い出すにはもう一度子供の純粋さや恐れのない心を取り戻さないといけないというのが。

 大人になること成長することとは必ずしも何でも出来るようになるってことじゃないんだよねえ。それは出来ることと出来ないことがあるのを知ることで、何かを失うことでもある。でもそういう不完全な人間でなければ王になれない「ナルニア」という世界がますます意味あり気に思えてきます。印象的だったのは人間というものに対するアスランの言葉、「恥を知るもの」。不完全さすら悪いことじゃあない、むしろ人間にとって必要なんだという気がする。だからこそ年をとりすぎているからもうナルニアには戻れないと言われたピーターが、穏やかにそれを受け入れられたんじゃないかなあ。

カスピアン王子のつのぶえ ナルニア国ものがたり (2) C.S.ルイス(岩波少年文庫)
novel | C.S.ルイス
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夏目友人帳 1巻  [Edit]
2005-10-14 Fri
 妖怪モノです、人間率低め(笑)。幼い頃から人外のモノが見えるせいでひとと上手く関われなかった夏目と、祖母が遺した「友人帳」の名前を返してもらおうと夏目の元を訪れる(襲ってくる?!)妖怪たちとの、煩わしくも賑やかな日々。

 ニャンコ先生のまねき猫姿はかなり力が抜ける系で、見慣れればかわいい…かなあ?(笑)猫じゃないのに仮の姿が長かったせいで無意識にねこじゃらしに反応するのがご愛嬌v。愛想はいいけど人慣れない感じの夏目少年は、特殊な環境の割にごくごく普通のコって感じ。ささやかな出逢いがこれから彼をどう変えていくのか楽しみっす。ところで私、すっかりレイコさんのファンになってしまった~美人で乱暴v。ストレートに恨んでるという強面の彼妖(カレ)がアイドル親衛隊に見えて仕方ありまセン(笑)

 「友人帳」に残るレイコさんと妖たちとの結び付きが、誰かと心を通じ合わせることをほとんど諦めてただろう夏目の心を開いていくんだね。ひとであれ妖であれ、誰かを求める気持ちを感じ取っていくことで、夏目の感情がちょっとずつ豊かになっていくんだよなあ~^^。田沼くんとは今後もうちょっと仲良くなれるんでしょーか。

 この中では四話が好き~~燕がカワイイvv緑川さんの女の子もすごく好きなのに女の子率めちゃ低いからなあ(笑)相手に自分の姿が見えなくても姿を目で追うだけで、声が聞こえなくても手を振って呼ぶだけで幸せそうな燕と、人間だからこそそれが切ない夏目の気持ちがクロスして、胸がいっぱいになりますです。初めて自分から誰かのために動こうとする夏目がぐんぐんいい男のコになっていくのも嬉しいv。それに緑川さんのお面は顔を隠してるのに表情以上に感情を伝える不思議な力があるのよね~^^。鳥お面も垂申面もいい味出してるんだよな~…って垂申はあれはああいう顔なのか(爆)

夏目友人帳 1 (1) 緑川ゆき(花とゆめ)
comic | 緑川ゆき
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10月は児童書月間かも  [Edit]
2005-10-11 Tue
 10月に入ってからというもの児童書ばっかり借りてきては読んでます~が、さくっと読めるので感想がたまってます。今週はがんばって追いつきたいところ…なんだけど日曜日はバザーなんで、明日あたりから夜に役員仕事があるのだったわ。っていうか、役員仕事あるのに飲み会の予定入れてたことに今日気づいたよ~PCのスケジュールに入れるのをすっかり忘れておった;えーと…ごめんなさ~い>役員の皆様(そっちか)

 どうにも大作に取りかかる気力が足りないもので児童書とか軽めのものばかり手にとってしまってますが、むしろ楽しくて元気が出る漫画をガ~ッと一気読みしたい気分。家にあるフルバとかのだめとかワンピとかで補給してるけど、何か新しいの探してみようかなー。
memo
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チョコレート工場の秘密  [Edit]
2005-10-11 Tue
 新訳のロアルド・ダール・コレクションで読んでみました。イラストのかわいい版ね(笑)。子供の頃に読んだことはなかった…と思う。これはかなり現代的な童話だと思うんですが…今でもそうだけど、子供の頃好きだったのってもちょっと古典というか古風な童話が多かったんですよね。そーいうのとは大分趣が違いますねえ。当時読んでたらワクワクしたかな~…うーんどうだろ?

 巨大チョコレート工場に世界一おいしくて不思議なお菓子の数々に秘密工員、それに工場見学の黄金のチケットと来ればワクワクする要素はたっぷりなのに、そこに展開される物語は風刺たっぷり。子供たちへのってより大人への風刺よね。発明の数々も食べたい~!ってより結構食べるのコワイぞあれは。ワンカ氏の変人っぷりは嫌いじゃないですけど。あれだけのことをしても悪意が感じられないのは不思議よね~。あんだけ突き抜けてるともう別の星の人って感じで許せてしまう(オイ)。しかし全体にテンション高い;…これって訳のせい?原作もこーいうテンションなのかしら??子供たちの名前もまんま日本語に意訳されてるあたり、分かりやすいっちゃ分かりやすいんだけど、尚更風刺がストレートに感じられて、ブラックユーモアというにはあんまり笑えなかったり。これはまあ、私がブラックユーモアあんまり得意じゃないからかもしれないけど。

 しかしもっと不思議だったのはチャーリーか。性格のいい子なんだけどね、実に。あの工場に動じず世界一すばらしいと言い切っちゃうところは只者でもないけどね。でも物語の中ではこれと言って何をするわけでもない…ような。工場に入ってからのチャーリーはあんまり印象に残ってないし、他の子供たちは魅力的でもない上にあっさり切り捨てられるわけで、この辺が子供の目線で描かれた物語でも、私の好きだった子供たちの知恵と冒険の物語でもないんだなあ。むしろジョウじいちゃんの方がすこぶる子供心を持ってイキイキしてましたですね。テンション高すぎて危険ゾーンですが(^_^;;。ばあちゃんがあれだけ褒めそやかしてたワンカ氏の実像見て「イカレポンチ」と言っちゃうのが一番笑えたかも。なので最後にチャーリーが「勝った」と言われても、ん??ただ受け身だっただけでは…と思ってしまったー。これでチャーリーが工場を継ぐのにふさわしいところを見せてくれてればこのブラックユーモアももうちょっと痛快で楽しめたかなという気がするんだけどね?

チョコレート工場の秘密    ロアルド・ダールコレクション 2 ロアルド・ダール(評論社)
novel | ロアルド・ダール
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わたしのおじさん  [Edit]
2005-10-11 Tue
 これは童話というか絵本というか、それとも挿絵の方とのコラボというか。最初読み始めた時は星の王子さまみたいなイメージだったんだけど、もっと分かりやすい話だったです(オイ)。なので逆に改めて感想言うこともあんまりないんですが…

 まだ生まれる前の「わたし」がその草原に立った時、そこにお母さんの弟…「わたしのおじさん」コウちゃんが迎えにきてくれる。いっしょに遊び、眠り、そこで過ごすうちにお母さんやコウちゃんが抱える傷が雨となり洞窟となって現れるんだけど、そこを二人で旅をして超えていくのです。

 生まれるってどういうこと?この気持ちは生まれたらどうなるの?…と、「わたし」の側から描いているようで、裏を返せば「親になること」を描いてるのかもしれない。傷ついた小さな女の子が母親になるまでのお話。いつか「わたし」が歩くだろう真夏の一本道は、お母さんが見た景色でもあるんだろうなーなんて。でもコウちゃんはこれからもずっとあの草原にいるのかしら?お母さんが癒されればコウちゃんの傷も癒されると思うけど、でも何となくあそこにずっといるのはサミシイのでコウちゃんもまたあの崖から飛び降りられればいいのにね、と思ったりしましたよ。

わたしのおじさん 湯本香樹実(偕成社)
novel | 湯本香樹実
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椿山課長の七日間  [Edit]
2005-10-11 Tue
 叩き上げのデパートマンとして、不可能と言われた予算さえ達成するために働き続けた椿山課長は、正念場であるバーゲン初日の夜に急死した。そして再び気が付いた時、そこはいわゆる「冥土」…高度にシステマティックで多分にお役所的なそこでは、生前の行いに関わらず相応の講習を受け「反省」ボタンさえ押せば誰でも極楽往生が可能になっていた。が、心残りの多すぎた椿山はボタンを押さず仮の肉体で現世に戻る特別措置を要求したのだったー

 テンポの良い、よく考えてみればブラックなんだけど笑わずにはいられない会話がプリズンホテルを彷彿とさせますねえ~。何しろ死んでから自分が大事だった人の本心や、自分が見ていたものとは違う現実を知るってはかなり苦い。だけどそこは浅田次郎、決して後味のイヤ~な苦さじゃあないんですな。仮の肉体が現世の自分とは180度正反対の見かけ&性別という馬鹿馬鹿しさに紛らせつつ、それが辛い現実を受け入れ昇華するのに上手く一役買っている。苦さばかりじゃない、そこにあっただろう相手の葛藤や愛情までも感じさせてくれるんだから、なんで自分だけが…という自己憐憫に陥れる訳もなく、ただ自分が愛した人たちの幸せを祈らずにはいられないのだ。自分の幸せを祈ってくれたひとのためにも…。苦労を苦労と、不幸を不幸と言わないところが浅田文学の肝なんじゃないかと思う。歯を食いしばってぐいっと前を向く、気持ちの強さとやさしさにはいつも泣きのツボを押されます。

 現世に戻ってくるのは他に古色蒼然としたヤクザの親分だった武田(本名)と、椿山の息子と同じ小学2年生の蓮(戒名)。この二人の話がまたいいんだよな~。死んではじめて「幸せ」が何かということを考えた椿山に比べると、この二人は生前からいつもそれを考えながら生きてきたんだと思う。何が自分にとっての幸せなのか、そして自分がひとにあげられる幸せは何なのか…。特に親分サイドの話はよかったな~子分たちが親分の教えを胸にしっかり刻んで生きてるのが泣かせます。残してきた子どもたちがちゃんと生きていけることさえ見極められれば、「存外幸せな人生だった」と清清と言える親分が侠だよ~う。仮の姿の紳士も良いけど、伝法な地の親分がまたカッコ良いのです。

 蓮と椿山の息子・陽介サイドも可愛らしくも哀しくてよかったす。頭が良すぎて大人びてるけど、やっぱり大人が守ってあげるべき存在なんだってことを椿山もおじいちゃんも親分も知ってる。だからこそ陽介の進む道にも蓮の進む道にも希望があるんだよね。惜しいな~生きてたらいいコンビになれただろうに…。こと恋愛に関してはローマンティックな浅田節も、大人の場合は読んでてたまに照れることもあるんだけど、この二人のファーストキスは素直にキレイなシーンだと思ったしね(中身をあえて考えなければ…笑)

椿山課長の七日間 浅田次郎(朝日文庫)
novel | 浅田次郎
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丹生都比売  [Edit]
2005-10-04 Tue
 兄である天智天皇から謀反の疑いをかけられないよう吉野に隠棲した大海人皇子は天智天皇が身罷られた後、御位に即いた大友皇子と近江朝廷への不満を持つ地方豪族たちを味方につけて再び中央へ向かう…いわゆる壬申の乱前後の日本の古代史上大人物たちに彩られた華やかな時代を背景に、これは、その影にひっそりと存在した草壁皇子のものがたりです。大海人皇子(天武天皇)を父に、後の持統天皇を母に持つ草壁皇子は身体も弱く、同じ父の血を引く大津皇子の明晰な明るさとは対照的に、強い光を浴びれば儚く消えてしまうような、決して歴史の表舞台に立つことのない宿命を背負っている。あちらもこちらも、周り中燦然と輝く人々の中にあって、「影を持たない、色の希薄は人はどこに行くのだろうー」

 歴史を動かし、あるいは勝つにせよ負けるにせよそのうねりの中で生きた人々が黄金だとすると、ただ流されるしかない魂は銀。「魂の錬銀術」という作者あとがきが言い得て妙ですね。強い輝きに消されるだろう自分の運命をよく知っていてもそれに抗わず、ただ受け入れようとする草壁皇子の存在は寄る辺無くもの悲しさに満ちているけれど、それでもこの話には絶望的な悲しさはないんだよねえ。それは、両親に見捨てられたという思いに胸を痛めながら、それでも両親のために自分の身を投げ出そうとする草壁皇子の存在が、両親にとっても救いとなるから。そのために消えるのなら、その存在は無じゃないんだという魂の平安が描かれてるからでしょうか。魂の平安と言っても別に宗教的な話じゃないのですが。「大王家の二つの血の流れ」…朝日のような人々が築き上げていく歴史の影でひっそり存在した月のような人々のものがたりであり、こういう人々がきっと「強くたじろがない存在」で在り続けるために奥底に閉じ込めておくしかなかった悲哀を代わりに引き受けてくれたんじゃないかな~とか思ったり。

 というのも、愛してるのに鬼になるしかなかった讃良皇女(持統天皇)が哀しくてねえ~;このまま自分も消えるのだろうかという草壁は儚いけど、キサに導かれて消えていくことの恐れから魂を解放された分救いがある。子を喰らっても生き続けなければならない母の業の深さは歴史の闇を背負ってる分重いです><。それでもその闇まで受け入れた草壁の存在が、救いにもなり道標にもなるんじゃないかな…寄る辺ない子どものように泣く鬼と、その哀しさを感じてる草壁の魂が静謐でよかった。

 この本ではほとんど出番がなかったけど、あとがきに書いてあった「光と影のように切り離せない」大津皇子と草壁皇子の話も読んでみたいな~。エピソードは昔何かで読んだような気もするけど…ものがたりで。この時代を舞台にした物語って、なんかこう惹かれるものがあるのよね~^^

 梨木香歩(原生林)
novel | 梨木香歩
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犬はどこだ  [Edit]
2005-10-04 Tue
 順風な人生設計の果てに順調な就職を決めたものの、思いもかけなかった理由で辞めざるを得なくなった紺屋長一郎は、まだその失意から立ち直れていないながらも故郷で犬探し専門の調査事務所を開いた…ハズだったが、早速舞い込んできた依頼は失踪人探しに古文書の由来探し、そして探偵志願の後輩だったー

 作者初の脱・高校生もの。基本的にあんまりテンションの高くない米澤主人公キャラの中でもさらに青緑色<コラ(by黒木くんinパリ)。人生の理不尽さに抗うことに疲れてて無気力状態なのに、妙ーに真面目なとこはこの作者の持ち味だけど、これまでの作品に共通だったジュブナイル色はかなり薄いかな?

 これまでは一応「日常の謎」系のささやかなミステリだったけど、実は今までミステリ部分は、可能性としてそーいう考え方はアリよね、くらいで受け止めててどっちかというとジュブナイル部分が気に入っておりました(笑)。この「犬はどこだ」はもっとミステリ部分に力入れた感じですね~ちゃんと「正解」が用意されてるというか。その分あんまり「青春」って感じはしなかったす。それは別に紺屋の20代半ばって年齢のせいじゃなく、これまでの主人公たちみたいに発展途上感がなかったから?確かにそれまでの人生を一旦強制リセットすることになって、自分だけじゃなく他人の「理不尽な思い」にも諦め入って心を動かされなかった紺屋が、事件を通して他人への共感を取り戻す話ではあるんだけど…イマイチその辺がよく分からなかったのよね;くだらない理由で志半ばにしなきゃならなかったという共感が、そこまで劇的に紺屋を動かすというのが…。まあ、幼い頃の野犬事件といい、もともとは弱い者を守ろうとするとこがあったのかなーという気もするので、それなら今後はもちょっとやる気出して私立探偵って職業をやれるんじゃないかなと思ったりもする。でもそれも「元の自分を取り戻しただけ」であって、これから成長していくって感じではないもんね。多分ミステリ色の強いシリーズになるんだろうな~と思います。ハンペーも見かけ通りのテンション高いお調子者じゃないよな~と思うけど、どんな探偵になるのかは読めん(笑)

 というわけで「青春」抜きのミステリとして読んだわけですが。古文書の由来探しはそれこそ探偵雇う前に郷土資料くらい読もうよ…と思ったけど、「ものぐさ太郎」に絡んだ山中の城、みたいな民族学的ミステリは大好物なので、これがもっとメインの謎でもよかったな~。失踪の方はトラブルが明らかになるあたりから面白くなりました。身近なトラブルだしねえ;;トラブル自体もイヤンだけど、ウオッチサイトとか余計なお世話ですげーイヤ;ストーカーまでは十分あり得る話だと思うけど、そこからなかなかブラックな展開になったのが結構意外でした…そう来るのか(笑)。この「毒」はシリーズの今後を占うような気がして仕方ありませ~ん。…つまり、紺屋S&Rの仕事って毎回こういうアブナイ結末ばっかりなのでは?と(爆)海外のハードボイルドっぽくてそういうのもアリだと思うけど、やっぱりこれまでの作品とは大分趣きが違うっぽい。取りあえず同じミステリフロンティアの「さよなら妖精」とは全然系統違うよね~。なのでますます青春モノという路線とは相容れないような気がしまっす。どうなる紺屋&ハンペー。

 あと捜査方法はちょっと気になったなー;。いくらネットで親しくしてて、事務所を開くことをアドバイスしてくれた人物っても、そんなペラペラ依頼内容喋っちゃうのってなんか違う…;これが、GENと二人で事務所を始めて、お互いネットで報告し合うってのなら全然いいんだけど、仕事とプライヴェートごっちゃになってる感じであんまりよろしくないかと。紺屋もチャットの中だとちょっと性格変わってるしね(^_^;;。私的には面白かったけど、紺屋とGENの会話とかネット関連の記述は割と不親切かも…?かなりオタク度高いと思います(爆)。あ~あとGENがMac使いなのはすぐ気が付いたんで、きっとこれが何か重大な伏線になるんだわ!と思ってたのにあっさり言っちゃったし、ちぇっ(笑)

 あとは紺屋妹の元ヤンっぷりに妙にウケたー。脇にこう、アナタ何者…って人が出てくるのが密かに米澤作品の楽しみだったり。ダンナも黙ってコーヒー煎れてるだけだけどどことなく曲者っぽくてまだまだ底があるような気がするしねえ?(希望)

犬はどこだ 米澤穂信(東京創元社)
novel | 米澤穂信
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| 日々是好日 |
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