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読書の欠片ネタバレあり
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小朝・茂山・昇太の京極噺  [Edit]
2006-08-04 Fri
 もう10日以上経っちゃったけど、ちょっとだけ感想を。やー思ってたよりあっさりだったもんで…(言い訳)

 まずは昇太の「新釈・妖怪噺」。や、見た目がどう見ても若手なので呼び捨てにしてましてスミマセン…志の輔と同期だそうなんですが、実年齢差で絶対そうみてもらえないで自分ばっかり損をするとまくらでたっぷり笑わせてもらったので、これからは昇太師匠と呼ばせていただきます・笑。まくらはとっても楽しかった~地元には不似合いな程立派なホールの1ベルの音には私も驚いたし、笑点デビューネタもおもしろかったす師匠。でも噺っぷりは若いような気がしたよ。演技がというか。

 さていつも怖がらせられてばかりなので、今年の夏は怖がらせる方にまわりたいと怪談話の練習をする男の話が続いたところで、京極の本で怖い話を勉強しろと言う。京極=おどろおどろしい小説は全然違うな気がするが、文庫本の厚さネタでくすぐり、そして一冊の本を買って帰ったと。んでその本を開いてみたところが。「地響きがする…と思って戴きたい」

 ぎゃーっ(別に怖がってるわけではない)「どすこい」できたか~~;;いやー…正直「やべっ」と思いましたよ(殴)。だって私「どすこい」であんまり笑えないし…;雪の中を行進する四十七(力)士…これはむずかし~~。うーむかなり原作どおりに演ってくれちゃったんですが、意外と思いっきりリメイクした方が面白くなるかも…よ(無責任)。と、とにかく、これはちょっとアレでした、ええ・汗。ごめんなさい昇太師匠…。でも演りようによってはもっと面白くなるかもと、次の小朝聴いてちょっと思ったす。


 次が小朝師匠、出し物は当日のお楽しみになってたんですがあっさりバラしてくれました「豆腐小僧」です。最初からそのつもりだったのか、それとも前がすべった(あっ)空気をふまえて変更したものか、まくらなし。「豆腐小僧」はごく短い話なのでその前にもう一つ…と言ってオリジナルなのかな?鶴の恩返しならぬこうもりの恩返し、しかもこうもりはこうもりでもルーマニア生まれのあおいちゃん(自分が血を吸うとみんな青くなるから)のお噺から入ってくれました。小朝って女の子役上手いなあ~かわいいですあおいちゃん・笑。

 冷えてた空気がほどよくあったまってきたところで「豆腐小僧」へ。内心ドキドキだったんですが(一般のお客さんに受けるかと思って…<余計なお世話)上手かったです。さすが小朝!と思ったわ~。京極の原作そのまんまじゃなく、小朝らしく結構大胆にアレンジしてあったのがいい。別の芸人のつぶやきネタをメインに持ってきたのは本人もちょっと苦しかったんじゃないかと思うんだけど、多分妖怪という一般にはなじみの薄いキャラに感情移入させるための苦肉の策だったんだろうな~と。おかげで会場の空気も冷えることなく、一つ目小僧の兄さんの漢気もキラリと光り、狂言verと違って人情噺に仕上がってましたねー。うん、このくらい変えちゃっても全然問題ないと思うわ。自分がちゃんと納得できるキャラに仕上げることで嘘くさくなくなるというか、自分のネタになるんだなあーと思ったす。もっと聴きたかったな~。


 中入りを挟んで最後が狂言「新・死に神」。私的には人情ものっぽい落語ver.の方がお話としては好きだけど、何と言っても初・生狂言だったのでこれはいろいろと面白かったです~。動きとか節とか約束事とか。死に神役の方がさすがの存在感を放っておりました。これが千五郎さん?衣装もイカしてました…前には黒猫頭には鼻緒の切れた下駄、背中の「滅」は一字かと思ったら後半動きが激しくなって分かった「仏滅」だったのね。本を読んだ時と、あと古典(?)を聴いた時は主役は不幸男の方だと思ってたんだけど、間違いなく死に神の方っした<主役。オチは六儀集と同じくちょっと毒の効いたやつだったけど、後味は悪くなかったな~。それもやっぱり「死に神」の味かと。


 こんな感じでちょっとあっさり目の二時間でしたー。前夜に相方が行って来た志の輔主宰の「越中座」が「めちゃめちゃおもしろかった!」そうなんで、正直負けた…と思いましたが(殴)、めったにない機会で楽しかったですー。落語はホントまた機会見つけて聴きに行きたいなあ~。
media mix | 落語 | 京極夏彦
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ウースター家の掟  [Edit]
2006-08-04 Fri
 「よしきた」の続編にあたる長編で、今度の舞台も古きよき田舎の大邸宅、トトレイ・タワーズ。ここはかの、バーティをして蛇に睨まれたカエルのごとくプロポーズを受け入れさせてしまう恐るべきマデラインの家であり、その父親はかつてバーティを警官のヘルメットを盗んだ咎で5ポンドの罰金を奪ったバセット御大なのだ。…うーん、ちょっと言い回しがウッドハウス調になってしまうな(そうか?)

 まあとにかく今回も二組のカップル、警察官に独裁者、それにダリア叔母さんまで入り乱れてのドタバタが展開されるわけで、今回もバーティは理不尽な女性たちと間が抜けた友人たちに振り回され、何故か自分のところに回ってくる災難をひいこら打ち返すハメになるのだ。いやー今回バーティがとってもマトモな人間に思えたわ…笑。そして相変わらずどんな切羽詰まった状況も、文学的で格調高く難しい言い回しで評すのがおかしくって笑えるのです。1ページにいくつくすぐりがあることやら。ジーヴスとバーティ万歳です。

 お気に入りのダリア叔母さんの狩猟系ギャロップも健在だし、ピング嬢も強烈だったけど、今回の見所はピング家の犬に追われて箪笥の上に飛び乗る主従コンビでしょうか。すごい光景だ…

 そしてそうそう、訳者あとがきにある通り、珍しくバーティにとって満足の行くオチだったのが何よりでしたー。いつもいつもバーティだけが割りを食うのがジーヴス流かと思ってましたが、今回はホントの大団円。ウースター家の掟を貫くバーティは男らしく、ダリア叔母さんとの親戚タッグは心あたたまり、見事バーティに世界一周クルーズを受諾させたジーヴスの嬉しそうな様子がまたいい感じじゃないの。例のヒバリとカタツムリの詩がこの大団円を完璧なものにしてくれるしね。…これが今回だけじゃないといいんだけど・笑。世界一周クルーズの話もあるのかなあー。この主従がいれば船旅に退屈してるヒマはないと思うわ。

 あとがきで紹介されてたウッドハウスの書簡もおもしろかった…。作家が頭の中で同じ場面を何度も何度もこねてる感じが伝わってさ。そして私のバーティ好きはこの訳者のバーティ像によるところが大きいのかしら~バーティ・ウースターは愛されていたのだ、に思わずうんうん頷いてしまったじゃないの…。

ウースター家の掟 P.G.ウッドハウス(国書刊行会)
novel | P.G.ウッドハウス
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| 日々是好日 |