FC2ブログ
読書の欠片ネタバレあり
10≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12
スポンサーサイト  [Edit]
-------- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



スポンサー広告
|
SPEED  [Edit]
2005-08-04 Thu
 話の構成や流れは「FLY,DADDY,FLY」とほぼ同じ、でも今度の主役は女の子。男の描きっぷりがいい作家でも女性は妙に理想化されてたりしてうーん;っていうこともよくあるんだけど、金城さんは女の子も女性も自然でなかなか好感度高しv。主人公の佳奈子もフライ~の「おっさん」と同じようにこれと言って特別なところのないごくごくフツーの人なんだけどなんかかわいいんだ。真面目で一生懸命で、地道ーに努力するところ。時々弱音吐いてみるけどあんまり慰めてもらえないんでこっそりつぶやくしかないところ・笑。鈴木さんの「いじわる…」も可愛かったよなー。佳奈子は「いつか轢いてやる…」がナイスv

 今回は佳奈子の家庭教師でもあり憧れの女性でもあった人の自殺をきっかけに、有名大学の文化祭を巡る金と人脈を握る男・中川の企みをゾンビーズが阻止する。やっぱり「うまく世の中を渡って行けるヤツ」「そういう人間に動かされる世の中の仕組み」に対する挑戦状なのだ、このシリーズは。でもただ「悪」をバッタバッタと斬っていくような爽快さがウリじゃないんだなー。作者はいつも彼らを立ち止まらせる。「世の中なんてこんなものかと思うな」「頭で考えたことより、ハート(心)とソウル(魂)で感じたことのほうを大切にしろ」と。何のための、誰のための闘いなのか、勢いや怒りに流されて見失うなと。

 だから好んでトラブルに首を突っ込んで、一見やんちゃやってるように見えるけども、映像的には決して派手じゃない。むしろ静かな印象さえ与える。だから佳奈子のママのエピソードやヒロシの思い出や、最後にアギーのママと交わした会話が優しく響くんだな。佳奈子が跳んでみせるシーンもとても静かだし、そう言えばフライ~の舜臣の舞いも。ケンカ売ってハイスピードで駆け抜けていくんじゃなく、傷ついた人を見過ごさない優しさ。立ち止まって自分と向かい合う静かさ。実はこーいうとこがこの作者の持ち味だと思うのよね、うん^^

 主人公が女の子だからか(?)先生役に抜擢されたのがアギー。今までは情報屋としてちょっと離れたところから関わっていた彼の、年頃の男の子っぽい素顔が覗くのがよかったな。ここを出てもっと広い世界で生きるのが彼の望みではあるけど、この場所にも大事なものがたくさんあるんだ。「あいつらとちゃんとつきあうのって、照れ臭いだろ?」そう言ってクールに振る舞いながら「あいつら」のこともママのことも大好きなんですよ彼は(笑)。好きなものがたくさんあって、それでも飄々と飛び出ていっちゃうところがコスモポリタンな彼らしくていい。南方や舜臣には卒業後どんな世界が待ってるんだろう?どんな風に世界を渡って行くのか見たいなあ~。

SPEED 金城一紀(角川書店)



novel | 金城一紀
CM:0 | TB:0 |
<<百鬼夜行抄 13巻 | 日々是好日 | iTMS!!>>



Comment
コメントの投稿
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

Trackback
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 日々是好日 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。