ようやく読みはじめたバガボンド、最初の印象は「ヒーッ怖…」…戦や人斬りや、いやもっと原始的で混沌とした「生」の怖さ。怖いと感じさせるのが凄い。原作の空気もこんななんですかね?これを「娯楽」と言うなら究極の娯楽ですな。
戦の時代に己の腕ひとつで名を挙げることを望んで村を出てきた武蔵と又八が、それぞれに流浪の人生を歩み出した第1巻。肉を斬られる痛み、骨を断つ手応え、血、女の肌…そんなものをただひたすら「生」だと信じ、生きるために他人の命を奪う。そんな獣の目を持つ十七歳は、血にまみれてはいるけれど昏くはなく刹那的でもない。死にたくないから生きる、誰にも負けたくないから強くなる…理屈なしの望みだけを胸に生を全うしようとする姿は爽やかですらあったりして、段々怖くなくなってくるのが不思議だわー。いやー武蔵はかわいいです(オイ)
2巻、これはもー武蔵にとって重要な巻ですねえ。おつうと沢庵、この二人の存在は大きいわ~。鬼と呼ばれ、修羅の道を歩む武蔵の中の泣く子供を見つけ出し、方向性と光を与えてくれた。心に描いた本当の望みとこれからも生きて見つける意義を。本格的に剣の道を歩む前の、人間武蔵の出発点ですねえ。好き好きv
3巻、二十一歳。宮本武蔵と名乗り京で武者修行。剣の道で天下無双を目指す野望の第一歩だけど、この時代においても剣の道一本に生きるような男は時代遅れであるらしい。それでもドキわくしてる武蔵が、多少歳はとってもガキくさいままなのね^^。己の道をひたすら歩む時代遅れの漢って好きなのよねえ。相手が強ければ強いほど挑み超えていく。「俺の方が強い」と吠える武蔵の前に広がる道はどんな道なのか…
ところでこの4年はどうしてたんだろう~そっちも気になります。おつうがかわいくて好きなんですが^^。あと又八は多分まだまだ迷走しそうだけど、どこで漢になるかも見所ですねー。

井上雄彦(モーニング)