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パーム 29巻 午前の光 III

 どシリアスの展開から一転、意外なところから終りがやってきて怒涛のハッピーエンディング。…か?いや最後にきて、マフィアのくせにジェームスファンなのねと安心させてきたレオ・ネロから不穏な言葉が出たのが気にはなるんだけど、でもやっぱりこれからの数年はジェームスにとって穏やかで幸せな時間なんだろうな。それは素直に喜ぼう。

 ジェームスの出生の秘密は一番ありそうなとこに落ち着いたなーと。その可能性は最初から思わないではなかったというか、むしろそれしか考えられなかったわけですが。前巻で父親候補とされたナンバー2は実際お会いする前にサヨウナラ(チ~ン…)。今までジェームスを追いかけてきたマフィアの世界との決別がこの探偵編のメインになるとは思っていたけど、まさかこんな風に突然解放されるとは思ってなかったわ。またジェームスが自分から去っていこうとするんじゃないかと心配してたのに~。結局あの親父もフツーの人だったのねえ。そこにどんな愛憎と葛藤があったのかは今となってはもう分からないけども。でもこのシリーズでジェームスの父と母がともに「人間」になったのは確かですね。イライザママも。

 スキャンダルとか遺伝とか、こういう時代なのであんまり重く感じないんだけど、この時代でキリスト教徒の国であることを考えれば割り増しすべきでしょうね。だからこそフロイドとケリーがジェームスにぺったり張り付いてるのにはなんだか癒されるわ。暑っ苦しい図ですが…笑。それにどのみち、あの人たち際どいジョークが信条だし。

 ジョイともめでたく婚約して、ジェームスのために喜んで祝福させてもらうけども、やっぱりカーターには敵いませんな、ちょっかいかけるのが愛情表現のジェームスの相手として最高だ・笑。ジョイと結婚すればもれなくカーターが一生ついてくるんだからパーフェクト。「人生は短い」…その中でも短いジェームスの残りの人生が、午前の光の中にありますように。レオ・ネロの予言なんて吹き飛ばして、イライザママが見たあの緑と空を、美しいものを毎日見れますように。

 最後の「ふたりの息子」とは作者のなのかそれともカーターの双子なのかな?いつもの映画的なラストと比べると「つづく」の引きなのが気になるー。次は過去編の予定だけど、その次の最終話つながるんでしょうか。いつになるかわからないけど(…)しっかり見届けたいと思います。

パーム (29) 獸木野生(WINGS)

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banri

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